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【連載】キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」③

キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2023年7月9日現在、日本全国にRVパークは341カ所ほど存在しています。

日本の夕陽百選にも選ばれる北条海岸の目の前

千葉県房総半島の南部にある館山市。ここは、昭和14年に館山北条町、那古町、船形町が合併し、館山市として誕生。さらに昭和29年には西岬村、神戸村、富崎村、豊房村、館野村、九重村の６村を追加し、現在の舘山市となっている。内房方面からでは館山自動車道や国道127号、外房なら国道128号、中央では房総半島の背骨とも言われる国道410号などがあるのでアクセスも良好だ。

館山駅西口から国道127号までの「夕映え通り」。駅周辺の散策もオススメ

館山は「海と里山」で全国的に知られる観光地で海岸部は南房総国定公園にも指定されている。今回紹介する「RVパーク camp b STORE」はJR館山駅から約1km。国道127号沿いにあり、目の前は北条海岸という恵まれたロケーション。北条海岸沿いは、ヤシの木が連なり、カフェやレストランなどが並んでいるので、歩いているだけでも楽しく、電線が埋設されていることもあり街から空への景観も開放的。空気の澄んだ日なら富士山を眺めることができ、館山湾の先に沈む夕日は格別。そうしたことから、ここ北条海岸は「日本の夕陽百選」「関東の富士見百景」「東京湾100選」にも選出されているほか、毎年開催される「館山湾花火大会」のメイン会場にもなっている。

ショップの脇にはヴィンテージトレーラーがあるのでこれを目印に行くと間違うこともない

こうした景観だけでなく、北条海岸が面する館山湾は鏡のように波が静かなことから「鏡ヶ浦」とも呼ばれ、夏場や週末は海水浴客やマリンスポーツを楽しむ人々で賑わいをみせる。RVパーク camp b STOREを運営する「b+b」は、2021年に群馬県の北軽井沢や山梨県の白州にあるキャンプフィールド「camp 24.」のほか、ここ千葉県館山市にアウトドア＆雑貨ショップ「camp b STORE」と併設のRVパークをオープン。海沿いという立地のよさに加え、ショップとパークがそろうという利便性のよさにリピーターも多い。

RVパーク前が北条海岸なので海水浴はもちろん、散歩にも最適。海と空が広がりゆったりとした時間を過ごせる

パーク利用の受け付けはショップ内で行ない、裏手にあるトイレやシャワー、ランドリールームの入退室方法などの説明を受ける。利用可能台数は６台で、区画のサイズは長さ15×幅６ｍ。長さがあるのでトレーラーの利用も可能。もちろん、サイドオーニングや車外でのイス・テーブル展開もオーケー。利用時には人工芝マットやレベラーを貸し出してくれるので、舗装路でも落ち着いて休める。もちろんショップではセンスのいいセレクトされたアイテムやオリジナルグッズなど買い物も楽しめる。

テーブルやイス、オーニングを出すこともでき、人工芝マットも無料で貸し出してくれるので車外でゆったりできる炊事場はないが、水道の利用はＯＫ

写真７，８セット

館山市内観光にもってこいのロケーション！

RVパーク camp b STOREの周辺は館山駅から近いこともあり、グルメ・ショッピング・観光地が数多い。特にパークから駅の西口までには数多くの飲食店が並び、居酒屋から寿司店など館山のグルメが満喫できる。コンビニなら約200m・徒歩１分の距離にセブンイレブンがあり便利この上なし。パーク内ではBBQや焚き火はできないため、せっかくなら周辺のグルメを楽しんでみてはどうだろう？　ランチならば徒歩３分の同じ国道沿いにあるピザ店「Goccia(ゴッチャ)」はパークのスタッフもよく足を運ぶ人気店だ。車内で自炊派というなら、約1.5kmの所にイオンタウン館山があるので買い物も可能。ただ、駅の周辺には鮮魚販売店もあるし、「渚の駅たてやま」も近くにあるので、買い物やお土産をするならこちらも外せない。

5年ほど前に訪れて美味しかった「館山食堂」も駅から徒歩２分。こちらは残念ながら取材日の月曜日は定休日だった

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館山駅そばにある「光徳」で夕食。ここは、新鮮な地魚を使った料理が豊富！

写真15

館山で水揚げされた魚や貝類、アワビ、イセエビ、サザエなど干物がそろう、駅からすぐ近くにある「魚忠水産」。筆者が訪れたのは定休日の水曜日……でなにも買えず終い

周辺観光は、「なぎさの駅たてやま」で！

周辺観光は「渚の駅たてやま」に行けば買い物や食事処以外にも、大きな水槽に魚がいっぱいの「海辺の広場」、館山湾が一望でき潮風を感じながらのんびりできる「展望デッキ」、海洋民俗をテーマとした「渚の博物館・さかなクンギャラリー」があって楽しめるほか、レンタルサイクルもあるので便利。

また、RVパークから約５kmのところにある「沖ノ島公園」は4.6ヘクタールの面積、周囲約1kmの陸続きの小島で海水浴や釣りはもちろん、地層や洞窟などもあって家族やカップル、1人で自然を満喫できる

史跡・名勝好きなら、戦国大名である里見氏の拠点だった舘山城・城山公園や館山市立博物館はぜひとも立ち寄りたい。南房総といえば江戸時代後期に活躍した戯作者「曲亭馬琴（滝沢馬琴）」の伝奇小説「南総里見八犬伝」でも知られており、舘山城はこの小説に登場する八犬士のひとり犬江親兵衛が守る居城。そんなゆかりもあって城山公園内には八犬士のモデルになったとされる「八遺臣の墓」があり、館山城（八犬伝博物館）には版本や錦絵などが展示されている。

写真21

城山公園山頂にある三層四階天守閣形式の館山城（八犬伝博物館）は、里見氏を題材にした『南総里見八犬伝』に関する各種資料を展示。入館料は400円（一般）・200円（小中高生）

ほかにも椿・梅・桜・ツツジ等の花木が小径をうずめ、季節に合わせて見事に咲き誇っており、四季を問わず散歩をするのにもいい。筆者が訪れたのはちょうど桜の季節で、天守からの眺めや桜の花の美しさに感嘆。この公園は芝生広場やバーベキュー広場、児童遊園地などもあるので家族で訪れるのもお薦め。無料駐車場が2カ所あるが、クラスＡなど全長6ｍを超すような大型サイズは駐車できないので注意が必要だ。

天守閣から館山湾を望む。小さくだが富士山も見える

観光・買い物・グルメなど、どれをとっても最高なロケーションにある「RVパーク Camp b STORE」。筆者が車中泊した平日は、22時を過ぎると交通量もグンと減って周辺も静かで就寝もしやすかった。また、清掃の行き届いた清潔なトイレやシャワーなどの施設もとても使いやすくて快適。館山散策をする際は是非とも利用したいパークだ。

写真は23時過ぎで、周囲はとても静か。車両後方にある格子のドア内にトイレやシャワーなどがあり、安心して利用できるパーク目の前の北条海岸で太平洋に沈む夕日を待っていたものの、直前に雲がかかってしまい残念ながら日没の瞬間は見ることができず……。また訪れようと思う

RVパーク Camp b STOREのデータ

住所：〒294-0045　千葉県館山市北条2292-11
電話：0470-29-7242　

当日予約：○　WEB予約：×（電話予約のみ）トイレ：○（暖房便座）　炊事場：×　　入浴施設：○（シャワー）AC電源：○（無料）　発電機：○　ゴミ処理対応：○（有料）　ダンプステーション：×　Wi-Fi：○　コインランドリー：○　キャンピングトレーラー：○　ダンプステーション：×　ペット：○

利用料金
RVパーク（クルマ１台）：4950円～　
チェックイン：15:30～17:30／チェックアウト10：00～11:00
※時期により異なります
TEXT&PHOTO:伴 隆之