キャンピングカー初心者におすすめ!自動車ディーラーで買える使いやすい車中泊車5選
「車中泊やクルマ旅、趣味の用途に活躍する車が欲しい!」「ミニバンだと荷物を載せきれない!」ということで夢のキャンピングカーを手に入れたい人は多い。でも初心者にとって、豪華な設備や大きな車体は本当に使いこなせるか不安もよぎる。そして、メンテナンスも心配。そこで選択肢に加えてみてほしいのが「自動車ディーラーで買える車中泊車」だ。
ディーラーが扱う車中泊向けモデルは、初心者でも使いやすいシンプルな装備のものが多いが、ディーラーがそれぞれの自動車メーカーの看板を背負って売るだけあって、安心や安全にはかなり配慮がされている。自動車の部分の面倒も見てくれるので、メンテナンスの心配も解消できる。もし普段から付き合いのあるディーラーがあるなら、相談もしやすい。
この記事ではハイエース、キャラバン、セレナといった車中泊&キャンピングカーでの人気車種で、国内の自動車ディーラーで広く買えるモデルを5つ紹介する。気になる1台があったら、お近くのディーラーへ!
5ナンバーサイズで国産車トップクラスの室内空間
キャラバンマルチベッドの間にセンターマット2枚を敷いた「フルベッドスタイル」
「キャラバンマルチベッド」は、約2,500店ある国内の日産ディーラー全店で買える車中泊仕様だ。オーテックやニスモといった日産のブランドで有名な日産モータースポーツ&カスタマイズが手掛け、ベッドやフロアの部分はトランポづくりの名門・オグショーが担当している。
キャラバンというとハイエースと並んで「大きな車」という印象かもしれないが、キャラバンマルチベッドのベース車はキャラバンのロングとスーパーロングのうち、短いほうのロングボディ(4695mm)、幅は標準幅とワイド幅のうちの標準幅(1695mm)、高さは標準ルーフとハイルーフのうちの標準ルーフ(1990mm)と、実は乗用車の5ナンバーサイズ枠に収まっているのだ。街中の狭い道でも取り回しが安心だし、立体駐車場にも入れる。ファーストカーと兼用でも全く問題ないサイズ。ベッドサイズは幅1510mm×長さ1760mm。 オプションのサイドマルチパイプラックとアタッチメントを装着しても頭上に余裕がある。
キャラバンマルチベッドの「セパレートベッドスタイル」と呼ばれる、ベッドの間に脱着式テーブルを置いてリビングにするモード。ベッドマットは奥行き1760mmあるのでゆとり抜群
2列目分割シートで多彩な荷室アレンジを実現
キャラバンはハイエースと違い、純正でセカンドシートが分割式になっている。スライドドア側を折りたためば、大きなものでもスライドドア側から出し入れしたり、セパレートベッドやフルベッドスタイル状態でも人の出入りがしやすい。これは大きなメリットだ。
セカンドシートは片側だけ折り畳んで荷室にできる。 スライドドア側からの乗車や荷物の出し入れもしやすい左右のベッドを跳ね上げた状態。ずどーんと広い!
純正メーカーだからできる小技
キャラバンマルチベッドのベッドマット生地はグレードごとに違った色調を採用。GRANDプレミアムGXはジャカード織物/合皮、 プレミアムGXはジャカード織物/トリコットで、それぞれのグレードの運転席、セカンドシートと同じ生地なのだ。車内のインテリアトーンの統一感を高める嬉しい仕掛け。
画面上がGRANDプレミアムGXのジャカード織物/合皮、下がプレミアムGXのジャカード織物/トリコット
オプションも豊富
ハイエースにはないキャラバンのメリットとして、ラゲッジユーティリティナットという機能がある。あらかじめ車体に用意されているボルト穴のことで、これを活用することで、新たに車体に穴を開けたりすることなく様々なパーツの取付ができるというものだ。キャラバンマルチベッドにはこの穴を活用したオプションが揃っており、うまく組み合わせることで、より使い勝手に合わせた1台に近づけることができる。
ラゲッジユーティリティナットを活用したオプション、ルーフインナーバー。1組2穴のルーフサイド部ナットを使っ て装着。写真は横バー2本+縦バー2本で、 耐荷重はクロスバー1本あたり20kg
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ついにe-POWERが搭載された大人気ミニバンも車中泊車に
「セレナマルチベッド」も、約2,500の日産ディーラー全店で購入できる車中泊車だ。ファクトリーもキャラバンマルチベッド同様オーテックやニスモのメーカー、日産モータースポーツ&カスタマイズ。
このモデルの最大の特徴は、なんといってもクルマが最先端だということ。セレナのフルモデルチェンジは2022年11月、e-POWER車は2023年4月20日に発売になったばかりだ。燃費と加速性能が向上するe-POWER車の人気は絶大で、予約開始から1か月強で予約台数が2万台を突破したという人気ぶりも頷ける。
セレナにはプロパイロットが搭載され、高速道路上での渋滞や巡航走行をアシストしてくれる。長距離を運転しがちな車中泊ユーザーにとっては、e-POWERと合わせて嬉しいことしかない。
ガソリンのAUTECH、XV、 ハイウェイスターVとe-POWERのAUTECH ,XV、ハイウェイスターVに設定。写真はガソリン車
3列目シートをなくしたことでしっかり寝られてしっかり積める1台に
セレナマルチベッドはサードシートを取り外して、かわりに頑丈なフレームを組み付けることで、安定感抜群のベッドを作る。倒したセカンドシートの上にも専用のベッドマットを渡し、車内に広いベッドが展開できる。サードシートがなくなるので乗車定員は5人となるが、日常使いとキャンプや車中泊などのレジャーユースを両立できる仕様。
専用設計ですっぽり気持ち良くハマるベッドシステム
初心者でも迷わない とにかく簡単なベッド展開
セレナマルチベッドのベッド展開はとにかく簡単。運転席と助手席、セカンドシートを前方にスライドし、セカンドシートを後ろに倒す。その上にフレームのステーを引っ掛け、あとはバックドア側から順番に4枚のベッドマットを 置いていくだけ。これで長さ2120mm×幅1320m、許容荷重150㎏のベッドが完成する。
リヤゲートの開口部付近、ベッドマットの下にちらっと見えているのがベッドマットを支えるステー。跳ね上げ式のサードシートを支えていた部分に取り付けられている
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本格キャンピングカーも全国の日産ディーラーで買える
日産ピーズフィールドクラフトは日産東京販売のグループ企業。約30年にわたりキャンピングカーを扱ってきた老舗のビルダーで、ラインナップの一部は全国の日産ディーラーを通じて購入できる。キャラバンのスーパーロングをベースとした最大7人乗車できる「ジェニュイン」などの本格キャンピングカーも取り扱い可能だ。
ポップアップルーフがついてタテにも広い車中泊車
セレナP-SV。P-SVはそれぞれ「 ポップルーフ」「スリーピングバージョン」という意味
「セレナP-SV」はそんな日産ピーズフィールドクラフトのラインナップの中でも初心者向けの1台。人気のセレナを車中泊車に仕立てた1台だが、ポップアップルーフがついていることが大きな特徴。装着されたポップアップルーフは床板を広げれば、大人2人が寝られるスペースがある。テント部分は全面を閉めたフルクローズに加えて、メッシュのハーフオープン、すべてを開け放つフルオープンが可能。レインカバーも付いている。
FFヒーターやソーラーパネルなど、本格的なキャンピングカーについているような装備もオプションで設定されている。
ポップアップルーフ内部。床板を並べると、1つの部屋として完成する。大人2人が寝られるスペースが確保できるのはありがたい室内のベッドはオプションのアンダーベッドを室内に敷き詰めるだけ。大人2人が寝られるフラットスペースができ、ポップアップと合わせて、4人の就寝が可能
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トイファクトリーのクルマは全国約400店のトヨタ系ディーラーで買える
国産キャンピングカーのトップブランドのひとつ、トイファクトリーのキャンピングカーは全国各地のトヨタ系ディーラーで購入可能だ。ディーラーによってはトイファクトリー製が作った限定モデルを扱うところも。ディーラーによって扱える車種が異なるので、トイファクトリーHPで最新情報を確認しよう。
ハイエース向け 後付けOKなシェルフユニット
HACO×HACOの架装例。最初にシンプルなパッケージでスタートして、後からシェルフユニットを買い足すこともできる
「HACO×HACO」はトイファクトリーのラインナップのなかでもちょっと珍しい存在。作り込まれたキャンピングカーのイメージが強いトイファクトリーだが、HACO×HACOは自分でカスタムすることができるのだ。
HACO×HACOのパッケージC。最初に左右の棚の後ろに、家具を固定するための「ベースボード」を設置するのだが、ここだけはお店でやってもらう。それから先は組み立て家具の要領で自分で作っていくことができる
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トヨタ系ディーラーで買えるトランスポーター
トヨタ全店で購入可能なトヨタモデリスタのMRT。MRTとは「マルチロールトランスポーター」の頭文字を取ったもの。ハイエースの荷室をフラットにし、様々なオプションを組み合わせることで自分仕様にカスタムすることができる。車中泊使用ならばスーパーGLベースのタイプ2に設定される、オプションのベッドキットを装着するのがオススメ。簡単に展開・格納できるほか、使用用途に合わせハーフラゲッジモードにもできる。
MRTタイプ2にベッドキットを装着した状態。標準・ワイドボディ用がある