ハイラックスにトライトン!2024年デビューのピックアップトラックキャンピングカー4選
2024年も多彩なキャンピングカーが登場し、ユーザーに新たな選択肢をもたらした。ここではオートキャンパーがこの1年で掴んだピックアップトラックベースのキャンピングカー情報を紹介する。
唯一無二のワイルドな見た目がカッコいい
今注目されているのがピックアップトラックベースのキャンピングカー。ほかのクラスにはないワイルドな見た目と存在感が魅力で、そのタフな走破性は従来のキャンピングカーでは到達できなかった新境地へとユーザーを導いてくれる。
そんなピックアップトラックベースのキャンピングカーは、2023年に登場するやいなや同年のグッドデザイン賞を受賞した「ダイレクトカーズ BR75シリーズ」を皮切りとして、着実にその勢力を拡大中だ。
勢力拡大の波に乗り、今年2024年にはVANTECHがアストラーレGX4を発表。その他にもMYSミスティックでは古くから、ピックアップトラックに着脱可能な居室を乗せるタイプをリリースしている。
ピックアップトラックベースは「荷台を廃してキャビンをイチから造り、キャブコンに劣らぬ居住性を実現したもの」「昇降ルーフを採用して走行時の全高を抑え、ファーストカートしての利便性も考慮されたもの」「キャビンのみで購入できる始めやすいもの」……と、その個性は豊か。ライフスタイルに合わせて選ぼう。
主力ベース車両のリニューアルで「トラキャン」勢力拡大に追い風
このクラスの国産モデルのベース車両として選ばれているのは主に「トヨタ ハイラックス」や「三菱 トライトン」。タンドラやランクル向けや、ボンゴトラックなどの小型車に乗せるタイプもMYSミスティックでは用意している。
特に三菱 トライトンは今年デビューしたばかりの最新モデルで、キャンパーファンのみならず、一般のクルマ好きからもアツい視線を注がれている。
三菱 トライトンは2005年に初代デビュー。その後フルモデルチェンジを経て、2023年に発表されたのが3代目となる現行モデルだ。主戦場はタイやブラジルで、日本国内には導入されていなかった期間もあったものの、現行モデルについては2024年2月から国内でも販売されている。
来たる2025年にキャンピングカーライフデビューやクルマの買い替えを検討しているみなさん。あなたのライフスタイルにマッチする一台、実はピックアップトラックキャンパー、トラキャンかも……? ぜひ彼らを愛車選びの選択肢に加えてみては。
2024年デビューのピックアップトラックベースキャンピングカー4選
アストラーレGX4/VANTECH
洗練のクロスカントリーキャンパー
トヨタのハイラックスをベースに、専用設計されたFRPシェルを持つ。エクステリアの凹凸がメカメカしく精悍な印象を与えるが、これは空力や雨水の流れを意識して設計された実利を伴うもの。
コクピット部からセカンドシートまではベース車両の空間そのままなので、4人乗車での走行が可能。
商用トラックベースのキャブコンに勝るとも劣らぬ居住性を実現。コクピット部とキャビン部は繋がっていて車外に出ることなく往来できるほか、キャビン後方には玄関やマルチルームも備え、より本格キャンピングカーらしい風体だ。就寝定員も大人3名+子供2名の最大5名を実現。ファミリーユースも難なくこなす。
コックピット部からもアクセスできるバンクベッドには天窓を備え、天気が良ければ寝転びながらの星空観察も期待できる。
デシエルト‐02/M.Y.S ミスティック
水平昇降ルーフ採用のオーバーランダー仕様
現行ハイラックスと新型トライトンの荷台に積載できる水平昇降タイプのポップアップルーフを備えたシェル。走行時にはルーフを閉じることができるので、ピックアップトラックならではの乗用車ライクな走行安定性、市街地での機動力を損なわない。
シェル内には必要十分のキッチンと背もたれ付きソファ型対面タイプのダイネットを備える。シンプルな装備のスタンダードモデルと、DC12Vクーラーやリチウムイオンバッテリー、ソーラーパネル、冷蔵庫などを標準装備したリミテッドモデルの2車種をラインアップする。
バンクベッドは、ルーフを上げてスライド式マットを展開することで1840×1740mmの大型サイズに。ダイネットを展開したベッドを組み合わせれば、最大大人4人が就寝可能だ。
グラビティー/横浜特殊ボディー(YTB)
全高2m強でタウンユースにも適合
グラビティーのシェルはトヨタのハイラックスの荷台に適合する。ポップアップルーフを採用し、閉じている状態では全高は2200mmなので立体駐車場への入庫を完全に諦めなくてもすむ。エクステリアはアウトバックを突き進むイメージでデザインされたといい、あふれるワイルド感が冒険心を掻き立てる。
車内は横座りの対面ダイネット。シートに背もたれはないが、幅700mmなので大人と子供が1人ずつ座れる余裕の設計だ。キッチンと電装の各種集中スイッチ、収納庫は車内最後部にまとめられ、動線がわかりやすい。270度展開型オーニングや屋外シャワールームなど、各種オプションが充実しているのも特徴。
グラビティ最大の特徴はキャブルーフの全面を覆うベッド。引き出し延長マット形式でダイネット上まで延び、展開時のサイズは1950×1560×670mm。透明ビニール、網戸、シェードと3重構造の窓が6カ所も用意され、開放感を与えるとともに通気と断熱性を高めている。
Jキャビン KZ/M.Y.S ミスティック
コの字型ダイネットが団らんの時間を彩る
現行ハイラックスと新型トライトンに合わせてサイズを最大化した新型シェルは、30年以上トラキャンにこだわり続けてきたM.Y.Sミスティックの佐藤正代表の集大成と言えるだろう。本格的な室内レイアウトでありながら、ベース車両をそのまま活かし、荷台にシェルを乗せるだけの架装なので、比較的手軽にキャンパーライフを始められるのもうれしい。
室内レイアウトの最大の特徴は、車両左側に家具類を集約し、右側にコの字シートでテーブルを囲めるダイネットを配置したこと。木目調の内装と相まって温かみのある団らんの時間を演出する。また、車両後部にはこのクラスのシェルには珍しいマルチルームを備える。
1880×1800mmという広大なバンクベッドは大人3人の就寝が可能。4カ所の窓に加え、ベンチレーターも近いので、息苦しい思いをせずに寝られそうだ。また、バンクベッドの他にダイネット部を展開することで、さらに大人2人の就寝スペースを確保。最大5人の就寝を可能にした。
ピックアップトラックベース・番外編
BR75シリーズ
BR75-G
近年のピックアップベースブームの火付け役となった2023年発表のダイレクトカーズBR75は2024年デビュー組とあわせて振り返っておきたい存在だ。
BR75シリーズはハイラックスZとZ-GRスポーツをベースに、悪路をものともしない走破性と大人のラグジュアリーな室内を両立させた提案で大きな話題をさらった。
現代の幌馬車といった雰囲気の室内は、運転席側からも出入りができるつくり。運転席の頭上はベッドにもなり、フロアベッドと合わせて大人2人+子供2人のファミリー分のベッドが作れる。
BR75-G。ルームエアコン標準装備でどんな過酷な環境下でも室内は快適だ
車両最後部には防水処理されたマルチルームがついている。収納スペースとしてはもちろん、シャワールームとしても十分なサイズ。トイレを置いてもいい。
なによりこの美しいスタイリング。ピックアップトラックベースを検討するならこちらもおさえておいて損はないはずだ。
BR75-Z