万が一の避難生活に新たな選択肢。災害時の「シェルター」のためのキャンピングカーがダイレクトカーズから登場。
軽キャンパー、バンコン、キャブコンと多彩なラインナップするダイレクトカーズ。そのキャブコンに災害時のシェルターとなる1台が仲間入り。避難生活を想定し、クルマだけで完結できる電源環境や洗濯機などのこれまでのキャンピングカーにはなかった装備を搭載している。
トリップ シェルター
今回発表されたのは「トリップ シェルター」。ダイレクトカーズの本格キャンピングカー「トリップ」をベースに作り上げた1台。災害時の避難場所としてカスマイズが施されているのが特徴だ。
ベースとなったダイレクトカーズのトリップシリーズは、長期の旅行でも快適に過ごせるよう、レイアウト、装備ともに工夫されたモデル。居室部分は、大人4人が対面でゆったり過ごせるダイネットに、キッチン、マルチルーム、そして常設ベッド、バンクベッドという構成。ダイネットもフラットにして就寝スペースとして使うことができ、そのほかと合わせて大人5人が就寝できるスペースを確保している。その就寝スペースも、今回のトリップシェルターでは2人分増え、大人7人分となっている。
災害時を想定した装備
そんなトリップから生まれたトリップシェルターの装備は、避難生活を想定した内容にパワーアップ。電源や水の確保がしにくくなる災害時のために、給水タンクは合計200ℓ分確保。一般的に災害に備えて備蓄したい水の量が、大人1人3ℓ/1日といわれており、この量は家族4人分と考えても16日分に相当。もちろん純粋な飲水としてだけではなく、生活用水として使うことを考えても、一度満水にすればひとまず安心できるタンク容量ではないだろうか。それに加え、ファインバブルの水循環システムも搭載している。そして電源環境は大容量のリチウムイオンバッテリーがメイン。クルマ1台で、最低限のライフラインをまかなえる装備なのだ。
そのほかクーラーやFFヒーターはもちろん、国産のキャンピングカーではなかなか見ない洗濯機も標準装備の予定。通常のクルマ旅であれば旅の間の洗濯物は、帰宅後かコインランドリーでとなるが、災害時はそうはいかない。下着など、最低限のものだけでも洗える環境がある意味は大きいのではないだろうか。
このトリップシェルター、発売は11月28日。そして実際のモデルが11月28日(木)〜29日(金)にポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第2展示館で開催される「第12回 中部ライフガードTEC2024~防災・減災・危機管理展~」で展示中。災害の多い日本のための1台といっても過言ではないこのモデル、ぜひ注目していきたい。