能登半島地震で「備えない防災」の実力を証明。トランスフォームするモビリティ車両「マルモビ」が石川県珠洲市へ寄贈
トイファクトリーが企業版ふるさと納税を活用して、石川県珠洲市へマルチパーパスモビリティ車両「マルモビ」を寄贈。その贈呈式が7月31日に行われた。今回寄贈された車両は、能登半島地震の被災地でも活躍していたクルマをリペアしたものだ。
状況に応じて役割を変えることができる「備えない防災」車両
「MARU MOBI(マルモビ)」は、トイファクトリーによるハイエースをベースとした「備えない防災」を実現するモデル。基本は10人乗りのコミューターワゴンのレイアウトだが、シートなどは着脱可能。そしてシート以外にも着脱可能なパーツが用意されているので、その時に必要な装備への付け替えることができるのだ。これまでに岐阜県可児市などに納入されてきた。
通常は10人乗りの「マルモビ」
そして今年1月に発生した能登半島地震を受け緊急開発され、避難所に派遣されたのが、この「マルモビ」をの仕組みを活用した「トイレカー」。個室を2つに、衛生的なラップ式洋式トイレ「クレサナ」を備えている。これは被災地で長引いた水不足や、トイレ不足問題を受けての開発だった。
被災地に派遣されたトイレカーの車内。衛生的なのが何よりうれしい
正式に「マルモビ」として珠洲市へ寄贈
そしてこの被災地の避難所へ派遣されていたトイレカーを、現地の状況が改善したことを確認し、引き上げ、リペアしたものが、今回珠洲市へ寄贈された。リペアの過程で「トイレカー」仕様から正式な「マルモビ」仕様へ仕上げたことで、平時は10人乗りのワゴンとして公用使用し、必要に応じてトイレカーとしてはもちろん、救護室や移動オフィスなどに幅広く使える車両になった。
珠洲市で行なわれた贈呈式では、トイファクトリーの藤井社長と珠洲市長の挨拶や写真撮影などのあと、珠洲市職員に向けて、マルモビ車両の操作の説明なども行われた。
トイレモードで使用するウォーターレストイレ「クレサナ」の説明をするトイファクトリーの藤井社長
実際にパーツの着脱も行われた