キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」⑮RVパーク鳴門天然温泉あらたえの湯(徳島県)
キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2024年6月21日現在、日本全国にRVパークは448カ所ほど存在しています。
四国の東玄関口にあり観光拠点に便利
本州と四国を橋で結ぶ「本州四国連絡橋」は神戸淡路鳴門自動車道の神戸・鳴門ルート、瀬戸中央自動車道の児島・坂出ルート、西瀬戸自動車道の尾道・今治ルート(瀬戸内しまなみ海道)の3つがある。今回紹介する「RVパーク鳴門天然温泉あらたえの湯」は徳島県にあり、関西方面からなら神戸・鳴門ルートを利用し四国の東の玄関口である鳴門北ICからわずか10分という好立地。香川や愛媛、高知方面からでも鳴門ICから10分ほどで、国道28号から県道42号線に入ってすぐと迷うこともない。
このパークは目の前が大毛島や小鳴門海峡で、なんとボートレース鳴門が隣接している。パークの名前にあるように運営は温浴施設が行なっており、温泉以外にも食事やお土産店も施設内に併設されており利便性が高い。また、徒歩圏にはボルタリングやスケートボート、バスケットなどが楽しめる「ウズパ(UZU PARK)」もあり、家族で汗を流すことだって可能だ。
パークはボートレース鳴門に隣接。レース開催日ではなかったためとても静かだった体を動かしたい人には徒歩2分のところにあるウズパがお薦め
広々とした2サイズの駐車場でゆったり過ごせる
パークは当日予約も20時までなら可能でWEB予約にも対応。利用する際は土産物店「海山恵家なるみ丸」でチェックインを行ない、施設の第2駐車場スペースにクルマを停める。区画は5×7mが10台、6×10mが3台と13台のスペースを用意。区画のサイズで利用料金が異なるほか、電源のあり・なしのプランから選ぶことができるシステムになっている。またキャンピングトレーラーにも対応し、ヘッド車を別駐車場に停める駐車料金500円が別途必要となる。オーニングの展開やスペース内でのイス・テーブル利用は可能だが、調理や焚き火などは禁止となっている。
施設の魅力はなんといっても温泉。地下800mから汲み上げられた湯は海水などが濃縮された濃度の高い温泉で、泉質はナトリウム、塩化物・炭酸水素温泉。疲労回復や美肌に効果が期待できる。施設の1階は天然温泉のほか、炭酸泉やリクライナー風呂、坪風呂など、バラエティ豊かなお風呂が楽しめる。2階には県内最大級の岩盤浴設備が併設されており、ロウリュにより熱波の浴びることもできる。パークの利用者は施設入館料が100円引きになるサービスがあるので、是非とも利用してゆっくりとリラックスするのがお薦め。
バラエティ溢れる湯船があり、ボートレースを見ながら湯に浸かることでもできる
ちなみにパークのスタッフから聞いた話によると、パーク利用者がボートレース鳴門で予想が的中し3泊も連泊したがいるというのは大変興味深かった。筆者もチャレンジしようか頭をよぎったものの、利用した日にレースがなかったため諦めることとなった。
観光・お遍路・お祭りなど楽しさいろいろ
周辺に施設が充実しているのもポイントで、ドライブが好きなら鳴門大橋や大毛島をはじめとした小さな島々が見晴らせる「鳴門スカイライン」がお薦め。さらに「大鳴門橋遊歩道・渦の道」に行けば鳴門大橋が一望できるほか、事前に大潮の時間をチェックして鳴門名物の渦潮を見ることも可能。ほかにも高松道を利用して四国八十八ヶ所の第一番札所である霊山寺までも約13kmと近い。
注意したいのが徳島の風物・阿波踊りの時期は予約がすぐに埋まってしまうので利用したい人は早めの予約が必要だ。
鳴門スカイラインの展望台からは大毛島や筏船など、周辺の眺望が楽しめる
ショッピングは「道の駅くるくるなると」や「マルナカ パワーシティ鳴門店」がパークからも近いので、車内で自炊する人はチェックしておきたい。コンビニはローソン鳴門競艇場前店が300mと近い。
グルメについても施設内に「蕎麦処あらたえ」「蕎麦と活魚の店 なるみ丸」といったレストランがあるほか、地元ブランド食材である鳴門鯛や鳴門わかめなどが味わえる飲食店が多くあるので困ることはない。
利用したのが平日だったのと、ボートレース開催日ではなかったため、夕方からとても静かでのんびり過ごせた。温浴施設のほうは地元の人にも人気のスポットということもあって賑わっていたが、ゆっくりと湯船やサウナで体をほぐすことができた。アクセス性や周辺施設も含め、大変利便性が高いと実感。四国へ行く際はぜひとも利用してみてはどうだろう。