愛犬と車中泊・キャンプ・旅を楽しむ夫婦のハイエースを見せてもらう!
キャンピングカーやキャンピングトレーラー、簡易車中泊車……これらの車の楽しみ方をオーナーから学ぶシリーズ。5回目はハイエースを自家用車として持ち、2匹のワンちゃん(愛犬)とともに車中泊やキャンプを組み合わせた旅を楽しむ「ウメモモバンライフ」のお2人をご紹介します。
2匹の愛犬と旅をするための選択=ハイエース
神奈川県在住のイサムさんとマミさん夫妻は、愛犬のウメちゃん(12歳)とモモジロウくん(10歳)とともに、愛車のハイエースで日本各地を旅し、キャンプ・車中泊を楽しんでいます。その様子は「ウメモモバンライフ」というYouTubeチャンネル名で、動画で発信しています。
愛車は2型/2WD/DXグレードのハイエースをベースにした中古のカスタム車で、購入先は横浜市にある自動車カスタム店「AUTO MOTIVE JAPAN」。同社が提供するカスタムハイエースの「VANACE(ヴァナス)」をベースに、さらに特注で“顔面”の部分などを変えてもらっています。購入金額は約350万円、購入時の走行距離は約3万kmだったそうです。
「2人とも昔から音楽が好きで、音楽フェスによく参加していました。もともとホンダのN BOX+に乗っていて、そうしたイベントに行くのに車中泊とキャンプをしていたんです。
その後、犬を飼うようになり、犬を連れつつキャンプ&車中泊グッズを積んで遠征するのに限界が来て……。それで、たくさん荷物が積めるうえ、愛犬と一緒に車中泊もできる車を探していて、ハイエースに行きつきました」と妻のマミさん。
「車内についてはシート、床、天井だけ少し施工された状態でした。そこからDIYで自作ベッドキットを取り付けたりするうちにカスタムに熱中していって、今では見事に“ハイエース沼”にハマッてしまいました」と笑う夫のイサムさん。
「ほんと、こんなDIYなんてする人じゃなかったんだけど、変わったよね」と笑うマミさん。
一番のこだわりはフロントフェイス。もともと白いボディだったが、きれいにオールペンもされている。「“ブサかっこいい”見た目が気に入ってます」とイサムさん使いやすいように各部に天然木を使った収納棚を設けた車内は、板張りと天井の施工以外、全てイサムさんがDIYで製作しました。なお、全てすぐ取り外すことができるとのこと スライドドアを開けてすぐの位置に設置された自作の収納は、板を上げるとそのままテーブルになります自作のベッドキットは通常時はベンチ状態で、板をスライドさせると完全なベッドになります。座っていても天井に頭が当たらず、かつ下側に荷物が収納できるギリギリの設計となっています。愛用はふとんファクトリーの「車中泊専用敷布団」で、こちらはウメモモバンライフさん特注カラー。「最高に寝心地がいいんですよ」とマミさんヒッチキャリヤにDMDのラックを装着。折りたたみ式のテーブルも装備されています。旅路で出たゴミとワンちゃんたちの糞を持ち帰るために使っています。知り合いのハイエース乗りが使っているのを見て、同じものを依頼して取り付けてもらいました
後部座席側の様子。快適な車内にワンちゃんもリラックス
シートカバーもショップオリジナルのものを装着ハンドルは購入後にナルディのウッドステアリングに交換。「男のロマンというか、どうしても取り付けたくて」とイサムさん 約600whのポータブル電源(左:エコフロー・リバーマックス)と約500whのポータブル電源(右:iClever・ポータブル電源)の2つを組み合わせて電源を確保。エコフローの方で冷蔵庫やドライヤーなど、消費電力の大きいものを稼働させています
“新たな人とのつながり”が実は一番の宝物。ライフスタイルが大きく変わった
ハイエースを手に入れてから、二人のライフスタイルは大きく変わったといいます。
「たくさんの荷物を積んで、しかも愛犬と一緒にいろいろな場所を旅できるのが本当に良いですね。途中で宿を取らないでも車中泊を組み合わせて移動できるのが大きなメリットです。それから、ペット不可だったり、可でも高額な宿が多いので、犬を連れての旅の行動範囲が広がりました。
また、宿が取れなくてもRVパークを予約して渡り歩く方法ができるのもメリットが大きいです。安いし快適です。
これまで北海道を2回旅しました。今年は3回目の北海道旅行に出るつもりなんです」とイサムさん。
「思い立って“今日行っちゃおうか!”と、勢いで遊びに行けてしまうのも大きいですね」とマミさん。そしてマミさんはこう続けます。
「でも、ハイエースに乗り始めて一番よかったなと思えるのは、新しい人とのつながりができたことだなって、思うんです。
実はいろいろなバンライフ系のイベントにも出るようになって、そこで他の愛犬と一緒に車中泊やキャンプを楽しんでいる人とのつながりが結構できたんです。あと、旅先でいろんな人から声をかけてもらったりとか。
もともとYouTubeも、愛犬との思い出を残そうと思って始めたんですけど、それがきっかけでまた新たな人とのつながりができたりとか。
ハイエースに乗っていると、そうしたつながりがどんどんできてくるんですよね。実はそこが一番の宝物なのかもしれません。私たち自身も、いろいろな人と出会って、いろいろな刺激をもらえます。“もっとうちらも頑張らなきゃ”って思ったりもします」。
どっぷりと“ハイエース沼”にハマっているお二人。その個性的なカスタムは、ちょっとやそっとでは真似できないかもしれませんが、愛犬家ハイエースユーザーのみならず、いろいろと参考になることが多いと言えるでしょう。
TEXT & PHOTO:大宅宏幸