お知らせ

キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」⑧【連載】Kyushu Rv Resort in Yanagawa<RVパークKRC>(福岡県)

キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2024年2月9日現在、日本全国にRVパークは414カ所ほど存在しています。

「水の都」柳川や有明海の観光に便利な立地

福岡県の南、筑後地方の南西部に位置する柳川市。福岡と鹿児島を結ぶ九州縦貫道の「みやま柳川IC」や、現在も建設が進む福岡県大牟田市から佐賀県鹿島市を結ぶ有明沿岸道が市内を通っていることもあって、アクセスも良好。そんな柳川市と言えば「水郷柳川」としても知られおり、市内には網目のように掘割(ほりわり)が張り巡らされた郷愁を誘う町並みが特徴。江戸時代は美しい城下町だったこともあり、街を散策するとそんな歴史や文化の面影に触れることができる。この柳川の風景は2014年に国の名勝に指定され、国内外から多くの観光客が四季を問わず訪れる。今回紹介する「Kyushu Rv Resort in Yanagawa (以下:RVパーク KRC)」はそんな柳川市にあるRVパークだ。

雨天も安心の日本初! 全天候型RVリゾート

2019年8月にオープンしたRVパーク KRCは有明沿岸道・柳川西ICを下りて約400m。九州縦貫道・みやま柳川ICからなら約13kmで途中には「道の駅みやま」など、買い物できるスポットも点在。パークの横にはスーパー「アスタラビスタ柳川西店」、目の前にはコインラインドリーと周辺の施設も充実。コンビニもセブンイレブン柳川蓮蒲池店まで約600mだ。

RVパークと展示場・整備工場が一体となっているので、愛車の相談やニューモデルのチェックなどもできる

このパークは、キャンピングカービルダー「カーショップスリーセブン」が運営し、敷地内には同社の展示場や整備工場も併設されている。RVパークのほうは、国内でも珍しいパーク全体を大きな屋根が覆っている全天候型。雨天時でも濡れたり汚れたりする心配がなく、快適に過ごせるのが大きな魅力で、各区画には隣から見えないよう壁により仕切られていているからプライベート感も高い。さらに、駐車スペースの後部にはウッドデッキが備わっており、ここでの焚き火やBBQも可能。宿泊・日帰りを問わず食材を用意しなくても事前予約をすれば、手ぶらでBBQも楽しめる。

区画の間に壁があることでプライベート感も高い
全天候型なのでオーニングを出す必要もなく、区画の後方にあるウッドデッキで焚き火やBBQができるのは最高!

区画はすべて4m幅を確保し、長さ11mが1区画、同5.25mが5区画(うち1区画は屋根なし)、同6.95mが1区画と全7区画。さらに、3つのキャンピングトレーラーに2つのドームハウスも備えているので、就寝人数が多い場合でも、こちらに宿泊することが可能となっている。

施設の設備についても驚くほど充実しており、炊事場やトイレ&シャワールームを完備。トイレ&シャワーは男女が別れているのはもちろん、パウダールームも備わる。清潔感も高く、RVパークやキャンプ場を利用したことがない人でも安心して利用できる。また、予約は電話以外にWEB予約にも対応し、18時までなら当日予約もOKだ。

キャンピングカーがなくても、さまざまなサイズのアメリカンキャンピングトレーラーやドームハウスに宿泊も可能
アメリカンキャンピングトレーラーやドームハウスは、冷暖房完備のほか、アメニティなども備わる(ペットは不可)

実際に宿泊してみると、パーク内はほどよい暗さのライティングで居心地も抜群。設備も清掃が行き届いており、炊事場にはサービスで虫よけスプレーなども用意されているなど、利用者へのホスピタリティが感じられ、感謝したくなる。夜間もすぐ横に有料道路があるにも関わらず、深夜は静寂さが心地よくゆっくりと休むことができた。

たまたま利用している方と施設のベンチで会話していたら、同社でキャンピングカーを購入し、車検やメンテナンスの際はいつもこのパークの宿泊施設を利用しているそう。このように、ビルダーの併設内にパークが併設されているので宿泊時に車両の相談などができるのもここならではの魅力だろう。また、トレーラーやドームハウス泊を利用する人や日帰りBBQの利用者など、キャンピングカーユーザー以外にもリピーターが多いというのも頷ける。

リゾート感あふれる環境でゆったりくつろげるので、ソロ・ファミリー問わずお薦め
設備に関しても充実しすぎともいえる内容。施設内のシャワーは有料で10分200円
どうしても入浴施設の湯船でという人は約700m(徒歩10分)のところにある輝泉荘で日帰り入浴が可能。ナトリウム・炭酸水素塩・塩化物泉の天然温泉で入浴料金は大人1人700円

周囲には観光スポットも多く、特に柳川市内観光をするのなら超便利

パークから柳川の観光中心部である観光案内所までは約3.5km。城下町の散策をはじめ、掘割をゆっくりと進むどんこ舟の旅では船頭さんの歌を聞きながら「川下り」を満喫できる。さらに柳川藩主立花邸 御花は、柳川藩11万石を治めた大名立花家の御屋敷で敷地全体およそ7千坪が国の名勝「立花氏庭園」に指定されており、見応えも満点。詩聖北原白秋の生誕百年を記念して昭和60年に作られた北原白秋生家・記念館では白秋の生い立ちや詩業などが紹介されているなど、城下町をゆっくりと楽しむのにはもってこい。

柳川の昔ながらの町並みや並倉をゆったりと川下りしながら堪能。船頭さんの歌や解説など楽しい時間が過ごせる
白秋と最もゆかりの深い酒造業北原家の広大な旧跡地に建設された「北原白秋生家・記念館」。「邪宗門」「思ひ出」など代表的な作品をはじめ、年表を見ながら氏の足跡を知ることができる。入館料は大人1人600円
「柳川藩主立花邸 御花(おはな)」は国の名勝「立花氏庭園」に指定され、現在は明治43年(1910)に立花家14代寛治伯爵によって建てられた伯爵邸と庭園「松濤園」が100年前の姿のまま残されている。入館料は立花家史料館と合わせて大人1人1000円
柳川を代表するグルメのひとつが「柳川うなぎ」。城下町を散策していると多くのうなぎ料理店が点在。昔は有明海の海水と、筑後川・矢部川の淡水が混じり合う河口付近で天然うなぎがよく捕れたそうだが、現在は養殖がほとんど。また、焼き上げた後にせいろで蒸すという調理方法も柳川うなぎならではの特徴

さらに、パークから筑後川を越えて約30kmほど北上すれば話題の「吉野ヶ里歴史公園」もあるので、福岡だけでなく佐賀の旅だって堪能できる。ほかにも、佐賀なら東よか干潟・肥前鹿島干潟、熊本なら荒尾干潟など有明海を代表する干潟見学や海の幸に触れてみるのもおすすめ。

「筑後川橋梁(ちくごがわきょうりょう)」は鉄道用として昭和10年に開業。船の往き来も多い筑後川との共存のため、橋の中央部が垂直に上下する通称:昇開橋(跳ね橋)としては日本最古の橋として知られている。現在は鉄道用ではなく遊歩道となっている
国の特別史跡に指定されている吉野ヶ里遺跡を有する吉野ヶ里歴史公園もパークからクルマで約35分。2023年4月には弥生時代後期の石棺墓が見つかるなど話題となる。弥生時代700年間の移り変わりを知ることができる貴重な遺跡に加え、大型公園としてリフレッシュするなど楽しみ方いろいろ。利用料は大人1人460円

1日だけではなく、2、3日と滞在したい立地がよく充実した施設のパークだった。

投稿日:
カテゴリー: お知らせ
企業情報
お問い合わせ