安心して楽しめるクルマ旅へ。知っておきたいキャンピングカーの安全を支えるベースのクルマの話
楽しいクルマ旅やアウトドアの相棒となるキャンピングカー。その安全を支える、キャンピングカーのベースとなるクルマのことはご存じでしょうか? もちろん一般に販売されているクルマをキャンピングカーに仕立てたモデルもありますが、キャンピングカーを作るために生まれたクルマをベースに作られたモデルもあるのです。
キャンピングカーのためのクルマ「カムロード」
「カムロード」は「キャブコン」と呼ばれる、見た目も「ザ・キャンピングカー」なモデルのベースとなるクルマ。トヨタ自動車の「ダイナ」というトラックが元になっている。
でも、クルマといっても、運転席と助手席といったフロントより後ろはフレームに配管にタイヤ、そしてライト類……。しかもフロントの後ろ部分の窓には通常あるはずのガラスがない。これは、キャンピングカーになる過程で、シェルと呼ばれる居室部分をクルマに配置していくためだ。
この「カムロード」は1997年に誕生。それ以前は、専用品ではないごく一般的なトラックを使用していた。そこで、にほんRV協会がトヨタ自動車にキャンピングカー専用車両の生産を依頼。誕生当時はトヨタのダイナトラックをベースに、キャンピングカー専用のサスペンションを取り付け、また走行を安定させるためにリヤのタイヤにも工夫がされた。
現在は、衝突被害軽減ブレーキなどの各種安全装置も装備され、安全性や運転支援機能が向上している。
日本で初めての量産型キャンピングカーベース車はハイエースだった
「バンコン」と呼ばれるカテゴリーでよくベースとして使われるのが、このトヨタのハイエース。こちらもキャンピングカーのために作られた仕様。その名も「キャンパー特装車」。
その歴史はカムロードより長く、今から28年前の1995年に誕生。トヨタ自動車と日本RV協会による意見交換から生まれた、日本で初めての量産型のキャンピングカーベース車だ。
通常のハイエースと何が違うのかというと、キャンピングカーのベース車とするために、乗り心地に配慮した足回りや、内装や装備品が取り付けられていないといった特徴が。さらに現在では、TSS(トヨタセーフティセンス)といった安全装備も備えられ、時代に合わせて進化している。
現在のハイエースをベースとしたモデルは、そのワイドなボディを生かし、キャンピングカー装備などを取り付けキャンピングカーとする作業、「架装」がしやすくなった。またキャンピングカーの架装メーカーのさまざなリクエストにも応えられるよう、オプションも追加され、そのベース車としての選択の幅も広がった。
安心安全なキャンピングカーのために
今年設立30周年を迎えた日本RV協会では、こういった安全で安心なキャンピングカーの製造や、安全なキャンピングカーライフのための試みを現在でも行なっている。架装メーカーの枠を超えた技術的な研修会や、日本自動車タイヤ協会との安全啓発のための取り組み、海外の状況の視察などその内容はさまざまだ。
楽しいキャンピングカーライフは「ちゃんと動く」キャンピングカーあってこそ。そして私たちキャンピングカーユーザーも、日々のクルマの状況のチェックや、運転への配慮などぜひ心がけていきたい。