VANTECHのZiLシリーズ。18年で5台を乗り継ぐオーナーに聞くその魅力
「いつかはZiL」という声を聞くこともある、VANTECHのフラッグシップモデルZiLシリーズ。2005年からそのZiLシリーズに乗り続けているオーナーさんに話を聞き、改めてその魅力を探った。夫婦とペットとのクルマ旅を楽しむというオーナーさん。数あるキャンピングカーからなぜZiLシリーズを選び続けるのか、そして実際の使い心地までリアルにレビュー。
きっかけはペットと災害
お話を伺ったのは、神奈川県在住の西原さん。取材を受けてくれたのは、気さくな奥さんの美樹さん。たくさんの写真といっしょにこれまでのキャンピングカーライフのこと、クルマのことなどたくさんの話をしてくれた。
さて話はさかのぼり、19年前になる2004年。もともとキャンピングカーに興味を持っていたご主人。そんななか新潟中越地震が起こり、その被害や避難生活を目の当たりにしたそう。当時からペットといっしょに生活していた西原夫妻は、ペットとの避難生活なども考えるようになり、いよいよキャンピングカーを真剣に検討し始めた。そこからは早い。すぐにキャンピングカーイベントに足を運びVANTECHのクルマを見学。そして決めてしまうからすごい。ご主人は最初からVANTECHのモデルが念頭にあったそうだったが、美樹さんはそうではない。「え〜キャンピングカー?」と少し冷めたようなところもあったそう。イベントでほかのモデルも見るなか、ふと思ったのは「ZiLは掃除がしやすそう」というイメージ。実際段差やすき間が少なく、そのイメージは間違っていなかったそう。
イベントから帰り、当時は自宅近くにあったVANTECHの厚木店に行きいよいよ購入。今は厚木店はなくなってしまったが、担当のスタッフの方がとてもよかったそう。結果これまで5台のZiLシリーズを乗り継いだ背景には、このVANTECHスタッフの対応も大きかった。
ペットの居心地を考えるとZiL。人間が使いやすいのがZiL520。
これまでの5台のZiLシリーズ。その歴史は1台目はZiL、2台目はZiL520、その後ZiL、ZiL520、ZiLと交互に続く。ペットとの旅を楽しむ西原夫妻。どのモデルでもその旅スタイルは変わらず、常にダイネットを展開して、フラットなスペースを作りペットも快適に過ごせる空間にしている。
そのスタイルで気づいた2つのモデルの違いがある。ZiLはZiL520に比べるとそのフラットなスペースが広く取れるのが魅力。しかし、ZiL520にはZiLにはない大きな特徴が。それがリヤの2段ベッド。これが「人間が使いやすい」秘密。ダイネットで食事などをとったあと、片付けせずにリヤの常設ベッドで寝られる上に、ベッドの下は大きな収納スペース。車外からもアクセスできるこの収納は「本当に便利」と美樹さん。現在はクルマが少し苦手な愛犬のことも考え、愛犬が動けるスペースをたくさん作れるZiLに。
5台目となる現在乗っているZiL。
1台目のZiLを破損してしまったとき、たまたま修理をお願いしたのはなぜかVANTECHではなく横浜のロッキー2。それからロッキー2との付き合いが始まり、この5台目のZiLはロッキー2から購入。ご主人とロッキー2の村山さんが足回りにこだわったそう
不満や違和感を感じないことが乗り続ける理由
キャンピングカーは「買ってからがスタート」というように、ショップスタッフによる購入後のきめ細かい対応やサポートは大切なポイント。西原夫妻は今までのZiLライフがここまで長く続いた理由としてそこを挙げていたが、モデルの品質の高さもその前提となっている。
さまざまな装備があるキャンピングカーには大なり小なり納車後にトラブルが発生することもある。でも西原夫妻、これまで乗ってきた5台のZiLシリーズは納車後に大きなトラブルに見舞われたことがないという。もちろんトラブルが発生したときにはすぐVANTECHのスタッフが対応してくれたそう。これはVANTECHのZiLシリーズの品質の高さによるもの。
そして「クルマのなかには見えない」インテリアもお気に入り。でも何よりキャンピングカーを使っていて不満や違和感を感じたことがないというのが、同じシリーズを乗り続けられたポイントかもしれないと教えてくれた。ドアや扉の開閉や、動線、ベッド展開など、できることは似ていても、普段の生活や住宅とは使い勝手が違うこともあるキャンピングカー。それでも使いにくいなと感じたことはないという。大きなお気に入りポイントがあるというわけではないが、「普通に使える」ことがすごいのだ。
そんなVANTECHのZiLシリーズ。2024年モデルが2月2日より開催のジャパンキャンピングカーショーでお披露目される。長年愛されるモデルの最新版、楽しみに待ちたい。