キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」⑦【連載】RVパーク 赤城 ときわぎの森キャンプ場(群馬県)
キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2023年5月2日現在、日本全国にRVパークは324カ所ほど存在しています。
群馬県のほぼ中央に位置する赤城山の麓にある自然豊かなパーク
関越自動車道を都心から北上していると、ちょうど烏川を越える辺りで目の前に大きく見えるのが群馬県のランドマークのひとつである日本百名山・赤城山(標高1828m)。前橋市の北部にそびえる赤城山は上毛三山のひとつで、ほかに榛名山や妙義山が含まれる。ここは風光明媚な里山リゾートとしても知られており、春はさまざまなツツジが山を彩り秋は紅葉が美しいのでハイキングや登山客が多い。夏は避暑に、冬は大沼湖上でのワカサギ釣りと多くの人が訪れる。そんな赤城山へのアクセスは関越自動車道・渋川伊香保ICもしくは赤城ICからが便利。
今回はそんな赤城山の麓にあるRVパークを紹介。
ここ「赤城 ときわぎ森キャンプ場」は渋川伊香保・赤城ICどちらからも約10分(約10km)の距離。杉や松のような常緑樹を意味する「常磐木(ときわぎ)」がネーミングの由来になっており、標高約400mの位置にあって赤城山の木々に囲まれた自然豊かなキャンプ場だ。
子供や大人も楽しめる体験プログラムが豊富
パークのオープンは2023年7月。もともと1984年から「パオス野外教育研究所」という名称で、パークのすぐ裏手にある自施設にて会員の子どもを対象にした野外キャンプ活動を実施し続けていることもあって、野外キャンプ活動のノウハウを活かしながら大人でも楽しめるプログラムを用意しているのが魅力。パークではバンブーランタンやタイルコースター、ウッドプランク、スウェーデントーチなどの製作プログラムが用意されており、当日申し込めばこれらの製作体験ができる。
オーニングの利用はもちろん、区画内では焚き火や野外調理もできる
パーク内はテントサイトが16区画、グランピングサイト4区画のほかに、RVパークとして5区画を用意。駐車できるサイズは長さ9×幅4.5mで、もちろんオーニングやタープの展開もオーケー。キャンプ場との併設のため、炊事場をはじめ無料シャワーやトイレも備わる。もちろん焚き火も可能だ。管理棟ではキャンプ道具のレンタルをはじめ、薪などの販売も行なっている。
朝は鳥のさえずりが聞こえ爽やかで、昼は木々の間から木漏れ日が心地よく、夜は星や月が顔をのぞかせロマンチックな気分になれる、自然豊かな森の中のキャンプ場。個人的には要所要所にウッドチップが敷き詰められており歩きやすく、見た目も美しいのが好印象。のんびりとした時が流れ、ゆったりと自然のなかに身を置くことができ、とってもリフレッシュすることができた。
食器やまな板にもなり、好きなイラストを書いて旅の思い出にもいいウッドプランク。車内に置きたくなるバンブーランタン、優しい炎で暖が取れるスウェーデントーチなど、専門スタッフが横についてていねいに作り方を教えてくれる
パーク周辺には観光・ショッピングスポットも多数
周辺観光といえば、やはり山頂近くにあるカルデラ湖「大沼」や火口湖の「小沼」、湿原の「覚満淵」の散策が最初に挙がる。また大沼湖畔にある赤城神社は赤城姫の伝説から女性に人気のあるパワースポットとしても有名。頂上までの道中である県道4号は人気の走り屋マンガ「頭文字(イニシャル)D」の舞台としても知られており、頂上近くの観光案内所まで68カ所ものコーナーを走ることとなるので、慎重なハンドリングが必要。スポーツカーともすれ違うことが多いので注意して走行したい。
ほかにもパークから約6kmの位置にある日本最大級の広さを誇る「世界の名犬牧場」は専用プールやセルフグルーミングなど、ワンちゃんの設備が揃っているのでペット連れの旅をする人にはお薦め。
パークから12kmほどにある「棚下不動の滝」は赤城山の溶岩が作った37mの断崖から流れ落ちる水流の勇壮な景観により、「日本の滝100選」にも選出。滝裏が洞窟になっていて裏側から見るのも迫力があって楽しめる。
広大なドッグランはもちろんのこと、ワンちゃんを飼っていない人でも世界各国の犬種とのふれあいコ―ナーなどもあり、一日楽しめる。駐車場も300台と広いので大型キャンピングカーでも駐車しやすい
買い物やグルメは「道の駅ふじみ」がパークから約7kmにあるので、ここで新鮮野菜などが手に入るほか、特産のふじみ豚を使ったコロッケやメンチなども販売。併設される「富士見温泉 見晴らしの湯 ふれあい館」の温泉は冷え性や皮膚病に効果があるなど、地元の人にも人気で、レストランやバーベキューエリアなどもある。 赤城周辺を散策・ドライブするのに便利なRVパーク赤城 ときわぎの森キャンプ場。自然を満喫したい人には特におすすめしたいパークだ。
平成23年3月に風ラインふじみ(直売所)、富士見温泉ふれあい館、ふれあい公園が一体となり「道の駅ふじみ」になった。上州名物の焼きまんじゅうや新鮮野菜など販売
「和豚もちぶた」という名の、独自生産するこだわりの銘柄豚使ったハムやウィンナーの直売所。自炊派でちょっといいお肉を求めるならここ! パークから約4km
群馬・埼玉・栃木で地域密着型のスーパーマーケットを約50店舗展開するフレッセイ。パークから一番近い大型スーパーはフレッセイ阿久津店で、パークから約9km
赤城山の麓で育てられたそば粉を使ったコシのあるそばは地元の人にも人気で行列が絶えない。営業時間は11時~15時だが、なくなり次第閉店してしまうので、どうしても食べたいという人は早めに行くのがお薦め