自然を旅するなら着たい。北欧発、サスティナブルでおしゃれなアウトドアウェア
海抜0mから3776mまで、変化に富んだ豊かな自然を身近に旅ができるのは日本の旅の特徴だ。そんな気候や自然環境の変化が大きい中を旅するからこそ、その変化の幅に対応できる登山ユースのアウトドアウェアなどマルチで機能性の高いウェアが便利。そんな旅の友として数あるアウトドアブランドの中から「選びたい」、フェールラーベンのウェアを紹介。
スウェーデン発のブランド「フェールラーベン」
フェールラーベンは1960年にスウェーデン北部の小さな町で生まれたブランド。始まりは当時24歳だった創業者のオッケ・ノルディン氏が、自宅の地下室にミシンを持ち込んで作った木製フレームのバックパック。その後、テントやウェア、日常使いのバックに広がっていた。
このフェールラーベンだが、「機能的で耐久性があり、時代を超えたアウトドアブランドであること」、「自然、動物、人に対して責任をもって行動する」、「アウトドアライフへの興味をかきたてて発展させる」という3つを理念として、その考え方が反映された様々な製品を今もなお世に送り出している。
例えば、フェールラーベンの製品によく見る革製のワッペン状のロゴやファスナーの引き手。これは本革を使用しているのだが、この革は食肉の副産物を使っているそう。なので、よく見ると1枚1枚色が違っている。でも、食肉として加工される動物がいるのであれば、その革もしっかり活用することがその動物への「責任」を果たす1つの考え方なのだと感じる。
世界中で愛されるリュック「カンケン」
その角張った特徴的なデザインで日本はもちろん世界中から愛されているのがバックパックの「カンケン」。もともとは日本でいうランドセルとして作られて、長くスウェーデンで使われてきた。耐久性、耐水性のあるビニロン素材が使われていて、スウェーデンでは世代を超えて使い継がれているカンケンがあるほど。日本でも10年もののカンケンが修理に持ち込まれるなんてことがよくあるそう。
このカンケンも、その角張ったデザインのおかげで生地を無駄にせず効率よく裁断して作ることができるそう。ほかにも製造から流通の場面まで、環境への負荷を少しでも軽くする工夫を行って私たちの手元にやってきている。
スウェーデンの電話帳をモチーフにしたというそのデザインだが、大きく開く開口部に、A4もすっぽり入って1泊程度の旅行の荷物なら入る大容量のメインの収納部、そして小物を入れるのに便利なポケット、長物も入れられる左右のスペースと使い勝手がいいのも長く愛される秘訣。現在では、ラップトップPCが入るモデルやひとまわり小さいモデル、ポシェット型、トート型、そして長い旅行にももっていきたいカンケン・ウィークエンダーとシリーズも広がっている。
「一生モノ」を愛用するという価値
フェールラーベンのウェアの特徴はなんといっても、丁寧にしっかり作られていること。そして撥水などの機能性も備えつつ、メンテナンスや修理を重ねて長く着用できること。値段は決して安くはないが、2〜3シーズンでくたびれてしまうということはない。もちろん、新品のときにはなかったシワやスレは出てくるだろうが、それがウェアの機能性やデザインを損なうようなことはないばかりか、1つの味となってそのウェアやギアを彩ってくれる。またデザインも流行を追うようなデザインというよりは、いつの時代でも着られるオーソドックスなデザイン。それでいて着るとかっこよく見えるからすごい。
このカンケンも2オーナーの手を渡っている。2年以上は使用しているものだが、しっかり形を保っている
そしてお気に入りの1着には付きものなのが、破れや破損。もちろん長年使っているとボタンが取れてしまったり、ジッパーが壊れてしまったりといったパーツの不具合も出てくるだろう。フェールラーベンではそうなってしまった製品についてもできる限り修理や部品の確保をしてくれる。
長く使うことが前提となった安心の保証制度に加え、直営店ではそのメンテナンスの相談や有償でのメンテナンスも引き受けてくれる
「丁寧に作られたいいものを、手を入れながら長く使う」。そういったファストファッションとは対局にある1つのモノを育てていくような考え方がフェールラーベンのウェアからは感じることができるのだ。それを使うことは、手軽で安くて便利なものとは違う大変さがあるが、長年愛用したフェールラーベンにはファストファッションにはないかっこよさがある。そして自分に本当に必要な1着を愛用することは地球にもやさしいはず。
ぜひこの先のアウトドアの相棒として、1着を選んでみてはいかがだろうか。