キャンピングトレーラーはけん引免許不要な小型モデルが狙い目!旬の6モデル紹介
キャンピングトレーラーは車両重量が750kg以下のコンパクトモデルであれば、けん引免許は必要なく普通免許で引ける。対応できるヘッド車さえ用意できれば、すぐにでもキャンピングカーライフがスタートできるのだ。その手軽さから、近年は新型の小型車が増えてきた。今回は工夫された作りの輸入車から、積載性能を重視した国産車まで注目モデルを6台紹介する。
なぜ増えた?キャンピングトレーラーの小型モデル
そもそもなぜコンパクトモデルが豊作になったかというと、SDGsの波がキャンピングトレーラー業界にも押し寄せたからだ。欧州では必要最低限のコンパクトなモデルがSDGs的に良しとされ、スモールトレーラーが注目された。とはいえ欧州の「コンパクト」なモデルのほとんどは日本ではけん引免許が必要な中型モデルにあたるのだが、その中でもさらにコンパクトなモデルを得意とするポーランドの「ニワドー」などのメーカーは軽量化技術も高く、日本でもけん引免許が不要な750kg以下にまで軽量化を進めている。
また、カーゴの要素を多大に持ったキャンピングトレーラーを北米では「トイホーラー」と呼ぶが、国産にもそのジャンルに位置づけられる意欲作が複数生まれてきた。工夫されたレイアウトで遊びと就寝を両立させ、外観はアルミサイディングボディなどで軽量化をすることによって、キャンピングトレーラーが多彩な遊びの受け皿に変身した。
さらに、原材料の値上げによるキャンピングカーの高額化も、キャンピングトレーラーに注目が集まる理由だ。これまで手の届きやすい価格帯で人気だったハイエースバンコンや軽キャンパーなどが軒並み高額化するなか、トレーラーにはエンジンなどの部品がついていないため、高級キャンピングカークラスの内装や装備を比較的安価に入手できる。
2023年の旬な小型キャンピングトレーラーたち
1.【ポーランド】上級モデル並みの高断熱&超軽量ボディが自慢「インディアナ300L」360万8000円〜
小さいボディに広々ダイネットを持つインディアナ300L。4人でもゆったり座れる
ポーランドの「ニワドー」はスモールモデルに注力したビルダーで、車両重量750kg以下のモデルを多くラインナップ。それを完全日本仕様にして国内展開したのが、日本のキャンピングトレーラーシーンの立役者の1人、インディアナRVだ。
車両サイズは全長が4500mmと普通車程度の大きさだが、シェル室内長は3050mmで室内幅が1950mmなので、ハイエースロングワイドボディの荷台サイズよりも大きく、ゆとりのレイアウトを組むことができる。
ダイネットをベッド展開した図。1950×1850mmの大きさで、大人2人なら余裕たっぷりに寝られるぞ
さらに特徴的なのが小さくても本格的な車体構造。キャンピングカーのシェルとしてよく使われるFRPよりもさらに強度のあるGRPというガラス繊維ファイバーをフロアやルーフに採用。断熱材も欧州で一般的に使用されるEPS断熱材ではなく軽くて断熱性の高いXPSを採用。軽くて暖かく、強度のあるボディを実現している。
さらにインディアナRVは、国内導入にあたって、エントランスを左にするなど完全日本仕様に変更。
キャンピングトレーラーの国内トップメーカーが自社の名前を冠した、自信をもってオススメできる1台だ。
インディアナ300L | インディアナRV
2.【アメリカ】使い方に合わせて自分でレイアウトを変えられる!?衝撃の1台「ハピアーキャンパー HC1」465万円〜
ポップで可愛らしい印象の室内。このすべてを自分で組み上げることができるのだ
西尾張三菱自動車販売が輸入するアメリカの「ハピアーキャンパー HC1」は反転させたバスタブのようなものを上下で組み合わせたような手法で作られている。特徴的なのは、「モジュラーインテリア」という独自の内装システム。モジュラーボックスと呼ばれる箱をフロアに置き、その上にマットやキッチンユニットを置くことでレイアウトが完成するという驚きの手法がとられている。どこにどうボックスを置くかで無限のレイアウトの可能性がある楽しい1台だ。
これがモジュラーボックスを置くためのフロアの構造。このマス目に沿ってボックスを置くことでレイアウトが完成するコロンとした外観も魅力的なモデルだ
3.【日本】荷物も大量に積めて4人就寝できる国産モデル「グラウンドクロスGX350」286万円〜※発売記念価格
遊び心のあるキャンピングカー作りに定評のあるタコスがキャンピングトレーラーを作ったら、ほかにない独創的なモデルが誕生した。それがこの「グラウンドクロスGX350」だ。
最大の特徴はリヤが7:3の観音開きドア形式であること。リヤハッチが上下開きだと開け閉めに広大な後方空間が必要になるが、観音開き方式ならば、ちょっと開けるだけでも車内外にアクセスが可能だ。これによりリヤハッチの利便性が大幅に増した。リヤ側を横座りの対面ダイネットとし、壁面にたためる構造にしたことで、必要とあらばリヤを広大な積載空間にできる。
また、前方を常設二段ベッドという独自のレイアウトも積載性と居住性を両立させるアイデアのたまものだ。
ベッドは頭上側と足元それぞれにバゲッジドアがついているので外部収納庫としても使うことができる。
campingcar_catalog_link slug=”mb-0085_cc-0001191″ message=”小型なのに4人就寝可能なグラウンドクロスGX350をキャンピングカーカタログで見る”]
4.【オランダ】ワイルドな見た目がひと味違う「シェルターアウトバック」448万8000円〜
オランダのKIPが手がけるコンパクトトレーラー「シェルター アウトバック」はゴツいタイヤやアルミホイール、ひと味違う見た目がオシャレな1台だ。濃い配色のツートーンカラーも個性的で、荒野を突き進むイメージ。
内装面では、ポップアップルーフを採用しており、上げると開放感が向上。前方は横座りの対面ダイネットだが、右シートは跳ね上げられる構造になっており、自転車や長尺物でも余裕で積める。装備が充実しており、リチウムイオンサブバッテリーやソーラーパネルが標準なのも嬉しい。
5.【日本】アルミサイディングのボディにスタイリッシュな内装が美しい「トレイルワークス ミニ」398万円〜
バンコンのトップビルダーのひとつであるケイワークスが作ったキャンピングトレーラーが「トレイルワークス ミニ」。兄弟車の「トレイルワークス」シリーズ同様にアルミサイディング仕上げのボディで軽量化と強度を両立。工夫されたレイアウトで、1歩足を踏み入れると、コンパクトなボディサイズからは想像がつかないほど開放的な空間を持つのが特徴だ。
コンパクトトレーラーとしては珍しい、ハイマウント式のベッドを装備。窓が大きく、開放感がある
フロントにキャビネット、エントランス横にキッチン、その向かいに横座り式のダイネット、リヤにハイマウント式のベッドという構成。リヤのベッドは3枚のマットで展開するが、外すと後部空間が収納スペースとしてフル活用できる。 リヤとサイドにバゲッジドアを備えるので外部収納庫にもなる。
キッチンも大きく、キャビネットには大型液晶テレビもおけるほどの余裕がある。家具をシンプルなスクエア形状で製作したため、車内がより広く感じられるのだ。
フロントのキャビネットは大型の液晶テレビを置いてもこれだけ余裕がある
6.【フランス】全高もおさえ、カーポートに収まるコンパクトさ「ミニ フリースタイル290」366万円〜
その1で紹介した「インディアナ300L」の輸入元であるインディアナRVが今年さらに投入したけん引免許不要キャンピングトレーラーが、フランスのメーカー、トリガノの「ミニ フリースタイル290」だ。
特筆すべきはボディサイズ。これまで紹介したキャンピングカーはどれもけん引免許不要なだけあって小型なのだが、このミニ フリースタイル290は全高を1980mmにまで押さえたモデル。高さ制限のある場所でもOKだし、走行安定性も増す。
室内はポップアップすることで室内高1920mmを確保。ホワイトやナチュラルカラーにターコイズブルーを差し色にしたインテリアとあいまって、圧迫感は全くない。