オートキャンパーWEB編集長が昭和のキャラバン(キャンピングカー!?) 買ってみた!⑤
1973年型の日産E20型キャラバンを買って早7ヵ月。後部スペースに畳と台座がインストールされた文化住宅みたいな車内&当時ものクーラーの部品一式が付属する条件に一目惚れ。インターネットで申し込んで放っておいたらそのまま通ってしまった銀行ローンをフルに使って購入したそれは、クーラー装着に3ヵ月、車検整備に3ヵ月。やっと、オートキャンパー WEB編集部っぽい、キャンピングカー架装部のお色直しへと移る(このまま乗らないんじゃないか?!)。
日本の伝統の内装材は、偉大だった!?
ちなみに外観はこんな感じです。1973年の最初期型日産キャラバン(E20)になります
昭和40年代に端を発する我が国のキャンピングカーブームの最中、生み出されたのが畳の車内だ。もちろん、米国や欧州のキャンピングカーにならってファブリックやビニールレザーの表皮を使用したベッドスタイルもあったが、日本人ならオートキャンプという戸外生活においても畳でしょ!となったのか、加工のしやすさから選ばれたのかは定かではないが、当時のキャンピングカーにおいて、一定数畳を敷いたキャンピングカーが製作された。
ショップが手掛けたものも、このキャラバンのように個人が手掛けたものもあるなかで、この床材が非常に優れている点を、令和の今日、いまさらながら発見した。
何を隠そう、維持管理、そしてリフレッシュが容易なのだ。
新車から程なくして、車中泊仕様=当時風にいうなら戸外生活仕様の車内に改装されたキャラバン。セカンドシート以降のラゲッジスペースが畳敷きとなっている
このキャラバンの畳は、おそらく50年もの間、車内に敷かれていたにもかかわらず、タバコの焦げ跡や表面のゴザの緩み?こそあれど、おおよその形を保っている。同年数使い込まれたファブリックやレザーではこうはいかないだろう。断熱性もあり通気性もある。掃除方法も、拭き清めればオッケー。日本の伝統の内装材、恐るべしだ。
ワラを圧縮した構造材に、い草のゴザを縫い付けてある。最近のものは、ウレタンフォームや合板を構造材とするものも多く、ワラタイプは上等品?だ
いまさらながら畳とは?!
和室にはなくてはならない床材ですよね?
ちなみに畳は構造材(畳床)と表面のゴザに大別でき、構造材にい草のゴザを縫い付けた状態で完成形となっている。縁には、耐摩耗性を高めたり、隙間を埋める目的の畳縁と呼ばれる布が縫い付けられていて、昔は家紋やら身分によって使えるもの使えないものがあったようだ。ちなみに、表面のゴザは交換することが想定されていて、通常5年くらいで張り替えるものらしい。優れものの床材なんだと再認識した次第だ。まさかキャンピングカー のウェブサイトで畳を扱うことなんてと思っていたが、最近まで畳を使ったモデルもあるにはあった。
VANREVOのQuest雅(販売終了)
ハイエースのロングハイルーフを使用し製作されていたクエスト雅。後部スペースは、畳を敷いただけでなく、他の架装もまさに和! 戸外生活でも、和室を楽しみたい人に向けた仕様だった
こちらは岡モータースのミニチュアクルーズ遍路
四国のお遍路を軽自動車のキャンピングカーで楽しめるよう製作された仕様だ。杖置きや、障子の円窓が備わる。マットは畳調のレザーとなる。
さて、キャラバンの畳に話を戻すと、全長が2150mmあり、1枚の幅は750mm。それが2枚。張り替えが可能なら、ゴザを張り替えてリフレッシュしたい。車を修理する上で、畳なんて内装材を触ったこともないのでよくわからないが、この長さ、1畳よりだいぶ長いようだ。関東が1760x880mm、関西(京間)が1910X995mmだそうで、このクルマは西のほうにあったから京間なんだろうと思っていたが、それよりも大きく、ゴザも特注になってしまうのだろうか?
畳屋さんなんて入ったことがない!ホームセンターなどでも張り替えサービスをしているが、結局仲介手数料?を取られるだけで、持っていけるなら直接畳屋さんに依頼したほうが得では?
というわけで、創業80年の畳屋さんに直談判しに行きました!
案ずるより産むがやすしのことわざ通り、ものは相談である。畳屋さんに相談するとロール状のゴザもあり、それを使えば大丈夫とのこと。車に敷かれた畳のゴザ張り替えというイレギュラーな注文にもかかわらず、畳を持ち込んだら当日中の昼には「できたよ」との連絡が!
キャンピングカーの内装が、こんなにも簡単に新品同様に戻るとは思わなかった。もっと早く依頼すればよかった!50年以上前の車なのに、車内は新築のにおいですw
畳の下にはカインズホームのキャリコオレア 浅型 クリアブラウンがジャストフィット!
このキャラバン、畳の下は高さ230mmしかない長大な収納スペースがある。ホイールハウスの高さに合わせて畳の台座を作ったためここに収納スペースというかデッドスペースが生まれたようなのだが、畳を新調した今、畳の上に物を置きたくない。ので、ここにキャンプグッズを収納したい。インターネットをさまよったら、カインズホームで低床タイプのコロ付き衣装ケースを発見したので、即採用と相成った! ちなみに高さ195mm、幅は400mm、奥行きは750mm。ふたも分割して開閉することができ、キャンピングカーユーザーにとって便利かどうかはわからないが、少なくとも私とキャラバンには、かなり便利だ。ついでに重ねること可能!
畳の下は高さ230mm、長さ2150mm以上の細長い収納スペースに悶絶していたが、カインズホームの低床衣装ケース980円で問題解決!
そんなわけで、機は熟した。次回こそ、旅に出ます!