ウッド張りの室内がひたすら心地よい。バンライファー垂涎のハイエースキャンピングカー
職人が一枚一枚手張りする天然木の天井と壁面で、自然と一体化したかのような内装が日常を忘れさせるハイエースキャンピングカー「KUMA Q」。ハイエーススーパーロングの広い空間を大胆に使い、他にはない居心地の良さを作り出した。
自由なバンライフ空間をハイエーススーパーロングで表現
セカンドシートはFASPなので、移動中は前向きにできる。くつろぎ時はシートを後ろ向きにして、ソファと対面でテーブルを囲める
「ルーフと壁面を天然木で張り込む」。簡単に言うが、実際の作業の手間はモケットなどの布地を張るのとは比較にならない。曲面のある車内で、職人が2人がかりで1枚ずつ組み上げていくのだ。しかも使われる板の色合いにもこだわり、相性を見ながら微妙なバランスで仕上げていく。国産キャンピングカーのなかでもかなり気合の入った異色な部類だが、その手間あってこそ、多くのバンライファーやキャンピングカーユーザーを引き付ける癒やしの内装が生まれる。
優しい曲面の壁面と対比するように、室内の家具は平面を多用したスクエア形状で、すっきりしたスマートな印象を与える。キャビネット天板などは木目を活かしたナチュラル仕上げで、扉は複数カラーから選べるツートーンカラー。シートも壁面・天井カラーも選べるので、海が好きか山が好き都会が好きか、アクティブなイメージか落ち着いたイメージか、目指すイメージに合わせて選ぼう。公式サイトでは組み合わせのシミュレーションもできる。
ハイエースがぐりぐり動いて、コーディネートを事前にシミュレーションで見せてくれる。最後に見積もりまで出るとても楽しい仕組み(画像はDreamDrive公式サイトより、2024年10月現在)
室内はほかにも特徴的な部分がたくさん。たとえばこのキッチン。ウォールナット材の厚みのある天板が目を引くが、そこにスクエア形状のシンクと引き出せるタイプの水栓が配されている。ハイエースクラスのキッチンだとシンクは不要時はフタをして収納できるコンパクトなタイプが多いが、あえてインテリアとしても存在感のあるものを搭載。
オシャレなシンクのおかげで、窓辺で過ごす時間を想像しただけでワクワクする
天板下にはポータブルの冷凍冷蔵庫。座席から取り出しやすい位置だ。
このキャビネットの扉も見逃せない。
扉のノブはボートなどによく使われているもので、ロックもかかるし、使わないときはスリムで人の動きを阻害しない。そしてスムーズな使用感が気持ち良い。車両全体に、厳選された良いパーツを使っているのを感じる。
そしてこのリアの広大なベッド。「クイーンサイズ」と銘打たれていて、ハイエーススーパーロングワイドボディの室内幅いっぱいに敷き詰められ、大人3人でも横になれる。ハイマウントなベッドだが、ボディがハイルーフなので寝起きでつかえることもない。
シートの部分もベッドにできるので、上のクイーンサイズベッドと合わせて最大5人が寝られる計算。ファミリーでも楽しく旅ができる。
ベッドに寝転んでちょうど操作しやすい位置に、インバーターのスイッチやバッテリーモニター、オプションのFF日ーチーのスイッチ、電源スイッチなどをまとめてある。KUMA Qは電装系パーツがレノジーで統一されていて、こういうところも手を抜いていない印象。
クイーンサイズベッドは左右のキャビネットの間に橋渡ししたボードの上にマットを載せる形で作られている。ボードは複数枚に分割されていて、使わないときは収納しておける。ボードを全て外せば高さのある荷物や大容量の荷物も運べるトランスポーターの完成だ。
左のキャビネットをバックドアを開けたときにちょうど使いやすい向きにしているあたり、キャンプユーザーは歓喜でしかない
ボードには補強が入っていて、半分に折りたためるように蝶番つき、持ち手として開けられた穴の加工も見事。木工の技術が高い。
高いレベルでハイエース内にバンライフ架装を施したKUMA Q。5人乗り5人就寝で、車両価格は790万円から。自然に溶け込むバンライフを望むユーザーににオススメだ。