オートキャンパーWEB編集長がキャラバンのキャンピングカー 買ってみた!③
1973年型の日産E20型キャラバンを買って早3カ月。後部スペースに畳と台座がインストールされた文化住宅みたいな車内&当時ものクーラーの部品一式が付属する条件に一目惚れして購入を決意。インターネットで申し込んで放っておいたらそのまま通ってしまった銀行ローンをフルに使って6月に納車してもらい、クーラーを取り付けたのが9月のこと。いよいよ公道復帰!の前に車検整備をしなくては……。
クーラーは装着できたが、整備とともに、こじらせ系旧車愛好家?の悪いクセが
タイヤ交換前の状態タイヤ&ホイールフィッティング途中
あんなに苦労したE20キャラバンの純正オプションのクーラー装着までの道のり。気付けばそんな夏ももう終わっただろうか、まだ暑いような気もするが。そこから、各部の整備や部品の買い足しなどを行っていたら、もう10月である。これを書いている時点で、E20型キャラバンは、未だ公道復帰するに至っていない。どうしてこんなに時間がかかるのか。旧車の修理は、1箇所に手を入れると、故障が連鎖的に発生することもあって、思い通りにいかないのが常態。が、それよりそもそも私が旧車のディテールに病的にこだわってしまうことが原因なのだろう。保安基準とルックスの両立で、今は悩んでいる。
①日産純正部品の入手がまず難しい
日産純正部品のほとんどは、製造廃止。維持していう上で部品を自身でストックしておくことが求められる
もともとわかっていることだったが、日産から新品の補修部品がほぼ出ない。ギリギリ残っているものに関しても、私が1つ購入した時点で在庫ゼロ、再生産予定なし=製造廃止という状況で、不具合の出そうな部品を予防整備するときも、先に交換部品が入手できるのかを確認しながらでないと難しい。
ステッカーや、デラックスグレードのバッジなど、リフレッシュできるところは当時ものの新品に交換している
②外装の小傷が気に入らない
簡易オートキャンプ仕様として使われていたものなので、アフターマーケット製のドレスアップパーツを装着していたようだ。その取り付け痕や、数十年保管されてきたときにできたと思われるキズ、サビの進行を止めるための処置などに時間がかかっている。
オートウェイのホワイトリボンタイヤに決めた!
③4ナンバーの貨物自動車に必要なタイヤとホイール
私にとって、E20型キャラバンが初の「4ナンバー登録の貨物自動車」のため、よくわからなかったのが、タイヤの負荷能力とアルミホイールの技術基準。
元々装着されていたタイヤは、185/75R14 89S。つまり荷重指数は89=580kg。5ナンバー登録では問題ないが、これをもともとの4ナンバーの貨物自動車登録しようとするとアウト。悩ましい…
E20キャラバンの場合、人が9人乗って500kg、もしくは6人プラス750kgの際の車両総重量の重いほうの数値(車検証にそれぞれの重量が書いてある)をタイヤ本数で割って、その重量よりタイヤの負荷能力が勝っていればOK!となるらしい。
簡単に、タイヤの負荷荷重を求めるには、車検証の車両総重量をタイヤ本数で割ればいい。E20キャラバンの場合、2460kg÷4=610kg。タイヤの付加指数が610kgを超えればOKだということになる
私のキャラバンは、5ナンバー登録を前提としてタイヤを交換してあったので、4ナンバーとして車検を取得しようとした場合は問題がある。それならばと車体に合うルックスのタイヤを探すのだが、ホワイトリボン以外は履きたくない。そうなのだ、初代キャラバンには、デラックスグレード以上に、ホワイトリボンタイヤを純正装着していたのだ。
E20キャラバンのデラックスグレードは、新車時ホワイトリボンタイヤだった。そこから約50年後、4ナンバー仕様に対応するホワイトリボンタイヤは国内に存在しない
ならば、今履いているタイヤと純正ホイールはもったいないので展示用にとっておいて、車検用には適当なホイールと、ライトトラック/カーゴ用タイヤを探せばいいんじゃないかと思いついた。個人売買サイトでお目当てのタイヤがついたアルミホイールを落札して、万事解決!
とならないのが、この連載のさだめなのか。今度は、アルミホイールが貨物用途の保安基準をクリアできない?のだ。
スチールホイールとホワイトリボンタイヤは温存しておき、新たに175R14 6PRのタイヤが装着されたアルミホイールを入手! これで大丈夫かと思いきや……社外の軽合金ホイールはJWLマークしか鋳込まれていない。4ナンバーだとJWL-Tマークが必要なのだ
結局、E20キャラバン純正のホイールに、貨物車向けタイヤを装着するのが手っ取り早く、もっとも安価に済ませられる方法と気づいたのだった……。
振り出しに戻って私のE20キャラバンに似合うタイヤはこれしかない!
オートウェイ取り扱いのホワイトリボンタイヤで車検関門をクリア?!
こうして紆余曲折の末、見つけたのが、”輸入タイヤ累計販売本数3600万本!”という国内最大級の輸入タイヤ&ホイール販売メーカーオートウェイが取り扱う、レーダー製だ。
シンガポールに本社を置くOmni United社のフラッグシップブランドであるRADAR(レーダー)は、世界発の環境に優しいカーボンニュートラル承認を取得したタイヤブランド。2006年に販売を開始、 高い走行性能と環境性能を両立させたタイヤを数多く開発し、世界50カ国以上で販売、とある。
Dimax Classic.WSW(ディーマックスクラシック)RLT71.WSW。ホワイトリボンがいい雰囲気である。交換前とタイヤの雰囲気は変わらないが、タイヤ剛性が飛躍的に高くなっているのである
そのラインナップのなかに、国内で販売が長いこと途絶えたホワイトリボンタイヤ(貨物用途向けも)もあるのだ! レーダー製のDimax Classic.WSW(ディーマックスクラシック)RLT71.WSWがそれで、国産旧車にもぴったりハマる。サイズも12/14/15インチまで計10サイズのラインナップも魅力。タイヤのコンパウンドも、古い車に合わせた特別品を採用し、耐久性と乗り心地のよさを両立させるのだという。
サイズは185R14C 102/100 8P。トレッドパターンも溝が深く排水性もよさそうだ。パターンも往年のバイアスタイヤを想起させる?!
さっそくE20キャラバン用に、185R14を早速装着してみると、ルックスも申し分なく大満足だ。これは古い車だけではなく、現行ハイエースにも装着可能なサイズがあるので、ほかとはちょっと違ったカスタム用途を楽しみたい人にもおすすめのタイヤである。