国産高性能リチウムイオンバッテリーはどこがすごい?安全性をテスト!
クレッセントデザインから、安全性に徹底的にこだわったリチウムイオンバッテリー「SBL12-100」が登場し、安全性能のテストに参加してきた。国産で2年間のサポートつき、高性能な周辺機器が充実したプロ仕様だ。
本格キャンピングカーにはほぼ必須装備となったリチウムイオンバッテリー
ほぼ必須装備となったキャンピングカーのエアコン装備 ※画像はイメージ
エアコンを筆頭に、電子レンジや冷蔵庫などの快適装備を動かして、快適な車内生活を送ろうというのが昨今のキャンピングカーのトレンド。
こういった快適家電をキャンピングカー車内で使いたいとなると、大容量の電源が必要となる ※消費電力はすべておおよその参考値
乗員が快適だということだけではなく「車内にペットを残してちょっと外出したい」「いざというとき、災害時に頼れる存在であって欲しい」という多様なニーズを受け止め、家電盛り盛り設定のキャンピングカーは大ヒットしているのだ。
大容量高出力、繰り返しの充電にも強いなど良いことづくめのリチウムイオンバッテリーはこのトレンドの立役者でもある。一方で、その構造上、火災などの事故が起こりやすいのも事実で、より安全なリチウムイオンバッテリーが求められている。
安全のための多重な取り組み
リン酸鉄系を採用
クレッセントデザインのリチウムイオンバッテリー「SBL12-100」は、あらゆるレイヤーで事故リスクを低減する試みがなされている。まず、リチウムイオンバッテリーは、コバルトやニッケルなど、使用されている金属元素によって耐熱性や安定性、エネルギー密度といった特性が変わる。「SBL12-100」はそのなかでもリン酸鉄系の原材料をチョイス。リン酸鉄系は発熱時に結晶構造が崩壊しにくく、抜きん出た安定性の高さがある。また、国内メーカー製で、国内企業による2年間のサポートをつけることで安全性を高めている。
ここまで見せる!専用スマホアプリでリアルタイムチェック可能
専用アプリの画面。電圧と電流、残量などのリアルタイム確認や、パスワード入力で入れる詳細設定画面も
「SBL12-100」には専用のスマホアプリが用意されている。電圧と電流、残量をリアルタイムで表示し、状態の確認や残り何時間使えるかの目安がわかる便利なものだ。ほぼすべての人はこの画面でこと足りるが、パスワードを入力するとかなり高度な管理も可能となる。プロ向けの内容ではあるが、充電電圧の調整などは知っておくといざという時に役立つかもしれない。
AI式のBMS(バッテリーモニターセーバー)搭載
BMS(バッテリーモニターセーバー)はサブバッテリーの電圧を監視し、異常な電圧低下を検知した際に、自動的に負荷機器への供給を遮断することで、バッテリーを保護する役割がある。「SBL12-100」のBMSにはAIを採用した。従来型はルールベースや閾値に基づいてバッテリーの状態を監視していたが、AIにより、より高度な異常検知・診断を可能に。また、走行充電は最近のリチウムイオンバッテリーの多くで専用機器が必要とされるなか、13.5V〜14.5Vであれば専用機器不要だ(ただし機器の出力数字ではなく、配線の抵抗まで考えた実測値であることはお忘れなく)。
それでも事故が起こった場合に備え、メタルケースを採用
メタルバッテリーガードBOX。ステンレス製で価格は3万800円。バッテリー接続端子、接続ケーブルつきだ
このようにあらゆる段階で安全性を追求して開発されていても、万が一で起こるのが事故というもの。「SBL12-100」の安全面での取り組みで最後に紹介するのは、もし事故が起こってもなるべく被害を少なくするための工夫。クレッセントデザインではステンレス製の「メタルバッテリーガードBOX」を別売りで用意している。今回はこのメタルバッテリーガードBOXの防炎・防煙テストに立ち会った。
まず、点火した手持ち花火をメタルバッテリーガードBOX内に入れる。
もくもく煙がでているところにBOXのフタを被せる。実際に製品を使う時はフタの周囲をボルトで留めるが、今回のテストでは簡易的にフタを被せるだけで様子を見た。
ボルトの穴から多少煙が漏れているが、実際に搭載するときはこの部分はボルトで塞がるので、これよりも密閉される。花火の燃焼が終わったところでフタを開けてみると、花火は根本まで燃えきらずに消えていた。BOXの密閉度が高いことの証左だ。防煙、防毒ガスへの高い信頼性が確認できた。
このメタルバッテリーガードBOXに付属する接続ケーブルも、38sqという高出力対応の太さで、安全にリチウムを使えるように配慮されている。
充実の周辺アイテムでさらに便利に
高出力なリチウムイオンバッテリーにも対応の正弦派インバーター「SBV12-2000」
「SBV12-2000」は、国内メーカー製の高性能正弦派ACDCインバーター。遠隔操作パネルや無線リモコンがついているのでキャンピングカーの組み込みにも自由度がある。こちらも高出力対応の38sqサイズの配線がついているので、バッテリー「SBL12-100」との併用が可能だ。価格は7万4800円で、8月にクレッセントデザインHPにて発売開始となる予定。
定格出力:2000W(2000VA)
瞬間出力:4000W(4000VA)
入出力:DC12V(10.5V〜13.5V)/AC100V
周波数:50/60Hz ※切り替え方式
出力ポート:USB-A・USB-C(計4個)
価格:7万4800円 ※8月発売予定
バッテリーの状態を瞬時に判断する「GTP-074バッテリーアナライザー」
バッテリーアナライザー「GTP-074」。価格は1万4080円
バッテリーアナライザーは、バッテリーにつなぐと状態を瞬時に判断。使用可能かどうかすぐわかる。リチウムイオンバッテリーにももちろん対応している。
クレッセントデザインはこういった電装系パーツの販売だけでなく、取り付け作業や、ユーザーの相談対応もしている。キャンピングカーと電気に長く携わった熟練のスタッフになんでも相談してみよう。