キャンピングカーの頂点、ハイマーのフルコンバージョン「エクシスi474」の圧倒的な快適空間と機能性!
キャンピングカーで最も贅沢なつくりと言われる「フルコンバージョン」という形式で作られたハイマーのエクシスi474。4人乗りで、5人が寝られる室内は、ヨーロッパ最高峰メーカーであるハイマー製だけあって洗練の極み。その2024年モデルを紹介する。
その工程はまるで家づくり。フルコンバージョンとは?
キャンピングカーには、ベース車の種類や車の作り方によって複数のカテゴリがある。たとえば、日本で最も売れているキャンピングカーはハイエースをベースに内装を架装したタイプだが、これらは商用バンがベースなので「バンコンバージョン(バンコン)」というカテゴリに入る。ミニバンなどの「バンタイプ」はすべてこのカテゴリだ。
バンコンの例。ハイエースが圧倒的に多いが、ワンボックスやミニバンなどの幅広いベース車で作られている
また、キャンピングカーと聞いて多くの人がまずイメージする形は、主にトラックをベースに作られ、乱暴に言うと、運転席の背面を切り取って荷台の部分を架装している。キャブを除くシャシーの部分を架装するので「キャブコンバージョン(キャブコン)」と呼ばれる。
いわゆる「キャンピングカー」というとこの形をイメージする人が多いのでは
では「フルコンバージョン(フルコン)」とは何か?フルコンは、運転台とエンジン、駆動系、足まわり、タイヤがついたストリップシャシー(ベアシャシー)の状態から、コーチビルダ一が独自の内外装に仕立てるカテゴリだ。欧州メーカーではメルセデス・ベンツやフィアット、イベコやマンといったメーカーがシャシーを供給している。
フィアットデュカトのシャシー部分上のシャシーの状態からすべてオリジナルで組み上げられる。プロペラシャフトなどの駆動系が床下を通っているため床が低く作れ、乗降性にも優れる
フルコンはボディ形状やレイアウトの自由度が高く、豪華でゆとりある空間を作れることがメリットだ。基礎だけあってあとはすべて作るという工程はまさに家を建てるようなもので、動く邸宅=モーターホームを体現した存在と言える。海外では乗用車をまるまる収納できるほどの大型モーターホームもあるが、当然日本では走らせられないので、比較的小型で、国内でも使いやすい全幅2.2m程度のサイズ感のものが国内に導入されている。ここで紹介するエクシスi474も、ハイマーのエクシスiシリーズの中では最も小型なモデルだ。
欧州トップメーカーの技術が結晶した、広々快適なフルコンバージョンキャンピングカー
エクシスi474の車内に入ると、リビングまわりの圧倒的な広さと明るさに感動する。運転席まわりの大きな窓もビルダーがオリジナルで作るからこそできる開放感ある眺望は、フルコンならではの特権だ。
リビングは運転席と助手席を回転させて、L字のソファとテーブルを囲む形。運転席が回転するのは輸入車によくある仕様で、他のひとと足がぶつからない広さとゆとりをリビングに生み出してくれる。各所に間接照明が配されており、夜間も室内が優しい雰囲気で包まれる。
入口を入ってすぐの部分にルーフウインドウがついている。ここだけでなくベッドルームなどいたるところに天窓があり、屋根をオリジナルで作るからこその恩恵だ。
エントランスを入って左側にはキッチン装備がコンパクトにまとめられている。輸入モデルはコンパクトでもキッチンは充実しているものが多く、エクシスi474もガラスカバー付き3口コンロに、90ℓの冷蔵庫を備えている。
コンロの左手側には拡張キッチン天板が。跳ね上げるタイプで、調理時など必要な時にだけスペースを作ることができる。スペースを機能的に活かすつくりだ。
スペースを活かしてゆとりの空間を生み出すと工夫は他にも各所でなされている。たとえばキッチンの対面にあるサニタリースペース。引き戸がついていて、ホテルライクなスペース内にはカセットトイレと手洗いシンクが。
シンクの部分はよく見ると左側の水栓とセパレートされている。
実は、シンクの部分を引っ張り出すイメージで、壁ごと右に90度スイングさせることができる。スイングさせたのが下の写真。こうすると、防水仕様の四角いシャワースペースに早変わり。ひとつの空間を、トイレとシャワーでうまくシェアさせているのだ。こういった工夫で、生活シーンごとのそれぞれのスペースを十分とり、優雅さを失わずに1日を送れるようにされている。
エクシスi474のベッドは2カ所にある。まずメインのベッドルームは車両の最後部にある。ハイマウント形式と呼ばれる、高さのあるベッドになっていて、この下は収納庫になっている。ベッドはツインタイプで、2人で寝起きしてもお互いに干渉しにくいので、日本では人気のレイアウトだ。隙間をマットで埋めてフルベッドにすれば、親子3人でも無理なく寝られる。各所に配置された収納の機能性と、照明づかいによる上質な雰囲気があいまって、満足度がこのうえなく高い空間だ。
そしてもうひとつのベッドスペースは、運転席と助手席の上部にあるプルダウンベッド。ヨーロッパの人の体格基準で作られているだけあり、見ての通り、ぐぐっと大きく開くので、中に入って寝ても圧迫感がない。しっかりアームで支えられているので不安感もなく、天窓や照明もついて楽しい空間だ。
素晴らしいのは内装だけではない。ハイマーには1987年から独自で取り組んでいる高剛性軽量ボディパネルPUALというテクノロジーがあり、ボディは高い断熱性とねじれ剛性を実現している。そのPUALを軽量低重心のAL-KOフレームシャシーに乗せることで、エクシスi474は全長6640mmながら車両総重量3.5t未満ととても軽量。さらに、足回りもハイマー専用に最適化されており、走りも安定。欧州トップメーカーを所有する喜びがぎゅっと詰められているのだ。
エクシスi474の2024年モデルは価格は要問い合わせとなっている。予想価格帯は2000万前後。