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キャンピングトレーラーでも大活躍のウインドウクーラーって何?

キャンピングカーに採用されるエアコンの1つであるウインドウクーラー。最近の住環境ではあまり馴染みのない製品だが、冷却能力は十分。そんなウインドウクーラーについて、自社で工夫してバンコンへの搭載を実現したキャンピングカー長野に聞いてみた!

室外機一体型の縦型エアコン

ウインドウエアコンは室外機一体の形状でコンパクトなエアコン。ルームエアコンのように室内機、室外機のセパレート型ではないので、配管や設置の手間が大幅に少ない。もちろん冷却能力も十分で六畳の部屋でも問題なく冷やせる。気になる点があるとすれば、形状が縦型のため、設置方法や場所が限られること。そしてコンプレッサーの駆動音と振動が大きいこと。 

工夫してバンコンにも搭載しているケースも

セパレートタイプのエアコンやクーラーの性能と使い勝手のよさは理解しているものの、室外機の設置が最大の問題というのは長野でバンコンなどのモデルを扱う「キャンピングカー長野」。エアコンの室外機を通常のように縦置きをするのはバンコンのスペースを考えると困難であるし、フロア下に設置しても、わだちができた雪道ではヒットする可能性があるほか、融雪剤による塩害も懸念。
こいういった長野という雪国ならではの不安からもウインドウエアコンに着目し、約3年前から独自加工をした搭載車両を発売した。最大の特徴は横向きで設置していること。しかし単に縦のものを横にすればいいだけでなく、向きの違いによる内部構造の変更が必要。ざっくりいうとコンプレッサーの向きを縦にするのだが、企業秘密なので詳細な加工や作業方法はナイショだ。

吹き出し口は上部になるように横置き加工。国産品と違い吹き出し口の左右全域から送風される。ルーバー操作で車内全体に冷気が行き渡る

こうして横向き装着が可能になった製品を、キャンピングカー長野のスペースキャンパークールでは、右後部サイドウインドウを利用して装着する。窓枠に対して、ちょうど本体の真ん中が載る位置で、車外は装着したウインドウボックス内に収まり、車内は10数cmの張り出しとなるが、居住部への影響はほぼない。取り付けのノウハウも確立されており、独自のフレームを使って搭載。本体加工からはじまり、すべてがキット化されりている印象だ。

暖房機能こそないが、ルームエアコン同等の使い勝手。自動運転やドライがあるのも特徴で、快適温度の車内空間に気軽にできる
右後部サイドウインドウ部分をボックス化してウインドウエアコンを装着。張り出し量は約70㎜だし窓部分のみなので、運転への支障は少ない
車内側の張り出しはこれだけなので、居住部への影響はほぼない。この内部に防音材をたっぷりと封入。未使用時は隠せるのも利点だ
本体から出た水は、ボックス化された外の下部左右から排出。車両の傾きや状態を考慮した2カ所、それぞれにドレンホースが装着可能

これらの構築だけでも苦労がうかがえるが、さらに大変だったのが防振と防音処理。特にウインドウエアコン最大の欠点でもあるコンプレッサーの突入は、わが家でも使っていた経験から、慣れていても大きな駆動音と振動で就寝時は必ず目覚めるほど。これも今回、実際に駆動させて体感したが、驚くほど振動と騒音がない。ユーザーからの不満の声を聞き対処したのだが、この処理も独自ノウハウの蓄積による完ぺきな仕上げだ。また、すべての冷房機器に付き物の本体からの排水に関しても、フレームの加工により解決。

なお、キャンピングカー長野が採用しているウインドウエアコンは韓国製で、ほぼノントラブル。国産品もテストしたのだが、根本的に能力に問題があり不採用。もし何かあっても交換が容易で安価なのも特徴の1つだ。いいことばかりだが、他車への販売や取り付けは未対応。ただし、自社の旧モデルには装着できる。

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