お知らせ

キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」⑭RVパーク代官屋敷(静岡県)

キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2024年6月21日現在、日本全国にRVパークは448カ所ほど存在しています。

源氏の里、韮山反射炉で知られる伊豆の国市

静岡県、伊豆半島の付け根に位置する伊豆の国市。田方平野のほぼ中央に位置しており、東は箱根山系の連山、西は城山や葛城山などの山々に囲まれた自然豊かなエリア。市の中心には南北に狩野川が流れ、クルマを走らせていると田園地帯が広がり穏やかな気分になれる。

そんな伊豆の国市は温泉地として有名な伊豆長岡町、世界遺産である韮山反射炉で知られる韮山市、自然豊かでアクティビティが豊富な旧大仁町が2005年に合併して誕生。市内には狩野川に沿うように下田市と三島市を結ぶ国道136号が縦断しているほか、東名や新東名から長岡ジャンクションを経由して伊豆縦貫道へと繋がっているのでアクセス性はとてもよい。パークは伊豆縦貫道の江間ICからなら7分ほどの距離(約3.5km)だ。

ここ伊豆の国市は鎌倉幕府成立の立役者である北条義時が生まれ育った地だけではなく、江戸時代に韮山反射炉と品川台場の築造など、さまざまな分野で活躍した、韮山代官「江川英龍」を輩出したことでも知られており、こと韮山反射炉は市のシンボル的存在となっている。

今回紹介する「RVパーク代官屋敷」はそんな伊豆半島の玄関口にあり、県道134号(いちご街道)沿いにある農の駅「グリーンプラザ伊豆の国」からすぐの場所にある。この辺りはいちご街道と呼ばれており、周囲にはいちごをはじめとした観光農園が点在し、毎年12月中旬から5月初旬までいちご狩りが楽しめる。特に「紅ほっぺ」「章姫」「きらぴ香」の3品種が有名でこれらを求め多くの人が訪れる。また、6〜7月はブルーベリー、10月はみかん狩りもでき、季節の恵みを堪能できる。

伊豆半島の玄関口、老舗の食事処に併設するRVパーク

パークは1977年創業の食事処「代官屋敷」の敷地内にあり、2022年1月にオープン。食事処のほうは伊豆の山海の味覚を盛り込んだ純和風のメニューが楽しめ、観光バスツアーの昼食会場として選ばれる有名老舗店。趣のある建物の横には1000坪超の駐車場があり、バスコンやトレーラーなどの大型車にももちろん対応している。

利用可能台数は15台と多く、1区画のサイズは7×5m。ペットはもちろんのこと、Wi-Fiやシャワー(有料)があり、ダンプステーションまで備わる。また、炊事場や焚き火用シートや台を使えば焚き火も可能となっている。

これだけでも十分な施設だが周囲が観光農園のため障害物がなく、晴れていればパークから富士山がよく見えるというのもポイントが高い。

パークは県道134号から一本入ったところに位置する。駐車場は広大で15台まで利用ができるので、友人や仲間同士とのオフ会などにも利用できる

建物内には食事処のほか、土産店も併設。到着したらここでチェックインを行なう
シャワールームも完備し、利用料は1名550円。ボディソープやシャンプー、コンディショナーをはじめ、ドライヤーも備わる。滞在中は何度でも利用が可能
シャワールームの横には炊事場もあるので自炊派の人はもちろん、食洗したり洗顔したりなどにも利用でき便利
近隣観光や日帰り温泉入浴などの利用に最適なレンタルバイクは1日1000円。台数に限りがあるので事前に予約しておくのがお薦め
施設建物横にある薪はなんと無料。焚き火をする際は耐熱シートと焚き火台を使用すれば可能。富士山麓の広葉樹を焼き上げた煙が出ない「すやまの炭」も販売している
駐車場内にはダンプステーションもあり、排水処理も行なえる

西・東・南伊豆の観光拠点としても利便性が高い

ここは伊豆の付け根だけあり、西・東・南伊豆を観光する際の拠点としての立地が抜群。また先述した世界遺産・韮山反射炉をはじめ江川邸(韮山役所跡)がすぐ近くにある。パークではレンタルサイクルも行なっているので自然豊かな周辺を散策してみるのもお薦め。さらに、パーク近くの函南や長岡エリアは温泉地が点在しており、温泉巡りをするのもいいだろう。

ショッピングなら約10分(5.5km)のところに「道の駅 伊豆ゲートウェイ函南」があり、ここは「伊豆わさびミュージアム」や「川の駅 伊豆ゲートウェイ函南」も併設された大型施設なので地元特産品を手に入れやすい。スーパーはマックスバリュエクスプレス韮山店が約3分(1km)、セブンイレブン伊豆の国四日町北店が600mと近くにあり、自炊派でも困ることはない。

伊豆パノラマパーク(静岡県伊豆の国市長岡260-1/055-948-1525)ロープウェイの料金は往復で大人:2500円、小人:1400円、幼児:900円
ロープウェイ山麓駅には伊豆の名産品がそろうショップやレストランがあり、ロープウェイに乗って標高452mの山頂へと行けば富士山を望み三島・沼津の街並みが一望できる公園がある。
韮山反射炉(静岡県伊豆の国市中260-1/055-949-3450)江戸時代末期、欧米諸国から日本を守るため、韮山代官だった江川英龍が幕府に進言して反射炉を建設。萩反射炉・薩摩旧集成館反射炉跡・韮山反射炉と現存する3基の中でも韮山反射炉はほぼ完全な形で残るとても貴重なもの。
韮山反射炉に併設されるガイダンスセンターでは韮山反射炉築造の時代背景や遺物等が展示され、歴史と産業システムを知ることができる。入館料は高校生以上:500円、中学生以下:50円
江川邸(静岡県伊豆の国市韮山韮山1/055-940-2200)国指定史跡「韮山役所跡」の敷地内にあり、国指定重要文化財である「江川邸」は、江戸末期の幕臣で伊豆韮山代官であった江川英龍の武家屋敷。1600年頃に建てられと言われており、現在でいう免震構造の「小屋組づくり」と呼ばれる幾何学的な屋根裏の木組みが特徴。また英龍はパン製造でも活躍し、邸内には「パン祖の碑」もある。入館料は大人:750円、小中学生:300円
伊豆畑毛温泉 富士見館(静岡県田方郡函南町畑毛226/055-978-3014)RVパークのスタッフお薦めの日帰り温泉。明治時代に創業し、環境省より指定を受けた東海道随一の国民保養温泉。源泉が33℃のぬる湯なのが特徴で低・中・高温の3つの 湯舟が用意されていて、ゆっくりと湯船に浸かって疲れを癒やせる。営業時間は7時〜20時 までで、大人:600円、子供:400円

グルメについては言わずもがな食事処「代官屋敷」を味わっておきたい。ただし営業時間は基本11時から15時までとランチのみの営業で、夏場は夜の営業もしているが行く際はあらかじめ営業時間を確認するのがいいだろう。ほかにも事前予約しておけばテイクアウト弁当があるほか、食材、やコンロなども用意してくれ手ぶらで楽しめる「バーベキューセット(2名以上から予約可)」もあるので、晩ご飯はバーベキューを満喫するのもお薦め。

道の駅 伊豆ゲートウェイ函南(静岡県田方郡函南町塚本887-1/055-979-1112)伊豆の入り口である門(ゲートウェイ)から命名。伊豆の食材を味わえる飲食店や物産店 、旅や遊びの情報が得られる案内所など、立ち寄る価値あり。
道の駅には「伊豆わさびミュージアム」や「川の駅 伊豆ゲートウェイ函南」も併設されており、買い物や食事、ドッグランだけでなく、アクティビティ体験など1日過ごすのもあり

パークからいちばん近いスーパーがマックスバリュエクスプレス韮山店。22時まで営業しているので、飲料や食材の調達に便利

食事処「代官屋敷」ではうなぎや天ぷら、さまざまな御膳に蕎麦やうどんなど、豊富なメニューを用意
テラス席はペットの同伴も可能。特選天ざるそば(2200円)は舌鼓を打つ美味しさ

幸いなことに、筆者が泊まった日は翌日も含めて快晴。日中は雲に隠れていた富士山も夕方に顔を出してくれロマンチックなマジックアワーが楽しめた。またパークは5台が利用していたが、広大な駐車スペースや周辺が農園のため騒音などが気になることもまったくなかった。 伊豆観光の拠点としてはもちろん、源氏ゆかりの地めぐりや世界遺産めぐりなどに便利な施設充実のRVパーク。アクセスのよさや美味しい食事なども含め、また訪れたいと思うのだった。

投稿日:
カテゴリー: お知らせ
企業情報
お問い合わせ