トイファクトリーがフィアットデュカトを、日本から世界に発信できる1台へ仕上げたら…

トイファクトリーのフィアットデュカトをベースにしたオリジナルモデルの「ダヴィンチ6.0」。これまでのバンコン製造で培った技術とノウハウに、ユーロトイやディズニー社とのコラボモデルの製作を通じて養ったデザインへの知見を集めて生まれた1台が「ダヴィンチルッソ 6.0」。日本的な細やかさとユーロピアンデザインの融合した車内を詳しくみていこう。

日本のクラフトマンシップと欧州流の機能美が見事に融合

キャングカーが文化として根付いているヨーロッパ。そのヨーロッパのキャンピングカー市場で鍛え抜かれている欧州車は、研ぎ澄まされたデザインセンスや伝統、機能美に彩られた絶大なブランドイメージを持つ。こうした名だたるキャンピングカーに匹敵するモデルを、日本から世界に向けて発信するという強い意気込みの下、バンコン製造販売台数日本一を誇るトイファクトリーが、デュカトという最高の素材をベースに長年培ってきた技術とノウハウを注ぎ込んだオリジナルモデルの１つが「ダヴィンチ」だ。

「ダヴィンチ」のラインナップはL2H2をベースとした「ダヴィンチ5.4」と、L3H2をベースとした「ダヴィンチ6.0」。そこに2024年のジャパンキャンピングカーショーで加わったのが「ダヴィンチルッソ 6.0」だ。いずれのモデルも、ドイツの老舗キャンピングカービルダー、ハイマーで長年チーフデザイナーを務めたフランク・ヴェンダー氏がトイファクトリーのデザインチームとコラボレーションし、欧州のデザイントレンドと日本の様式美を融合させた。

「ダヴィンチルッソ 6.0」

柔らかな光の陰影でリビングを優しく包み込む間接照明や、ダークグレーを基調にした内装のシックな色遣いがもたらすヨーロッパの高級ホテルのような雰囲気に加えて、車両の運動性能を損なわないための家具や装備品の軽量化、独自の断熱技術、欧州のキャンピングカー市場で圧倒的シェアを誇るアグチ製シートなど、スタンダードモデルの美点はそのままに細部をアレンジしてグッとラグジュアリー感を増したのが、イタリア語で「さりげないぜいたく」を意味するルッソの名前を冠した「ダヴィンチルッソ 6.0」なのだ。
セパレートタイプのアグチ製セカンドシートと、フロントシートの回転機構を使ってテーブルを囲むダイネットはスタンダードのダヴィンチ6.0と同じだが、シートの色と柄がダークグレーからキルティングが施されたコニャックブラウンに一新。

内装全体のトーンも黒と白を基調にしたスタンダードモデルに対し、明るいブラウンのむく材と白色系に改められ、上部収納庫にアクセントのアルミ装飾を施すなど、手の込んだ作りだ。
こうした細部のアレンジは、世界５台限定生産で話題を呼んだ、ウォルトディズニーカンパニー創立100周年記念モデルのダヴィンチ6.0、ディズニー100エディションからインスピレーションを受けている。
ハイマウント形式のリヤ常設ダブルベッドは、キッチンと十分な大きさのマルチルームを挟んでダイネットと隔てられている。このベッドもスタンダードモデルと共通だが、シートと同様のトーンでまとめている

フロントシートの回転機構を使い、セカンドシートと対面させてダイネットを作る。1900㎜の室内高も相まって開放感にあふれるアグチ製の回転台座にセットされたアームレスト付きのフロントシート。スムーズな回転動作で前後どちらの向きにもセットできるプレミアムカーの内装を思わせるキルティングが施された高級感のあるシート生地。サイドの白ステッチもアクセントが利いているテーブルの角度を変えられるのはスタンダードモデルと同じだが、天板色をダークグレーから格調の高い大理石調に変更している上部収納庫は木目が美しいライトブラウンのむく材で仕上げられている。アクセントにメタルの装飾をあしらった横方向に大人２人がゆったり寝られるリヤ常設ダブルベッド。シートと同じコニャックブラウンのマット色で統一感を演出大容量のベッド下収納。サイド収納にはシャッター扉が備わる。ベッド側面のスポットライトは取り外してハンディライトになるガラスカバー付きステンレスシンクと２口コンロ、混合栓フォーセットが備わるキッチン。曲面が使われたスマートなデザインキッチンの隣には70ℓの左右両側開き冷蔵庫とオプションの電子レンジをビルドイン。ベッドとキッチンの間仕切りとしても機能スライドドアから滑らかな曲線を描くように動線が設けられ、キッチンと対面のマルチルーム、リヤベッドへと導かれる環境に優しいウオーターレストイレのクレサナを標準装備。水洗トイレ型のスタイリッシュなフォルムがルッソの内装と調和する