タンドラ風フロントフェイスキットも魅力!大容量外部収納がすごいダイレクトカーズ「ニンジャ」を解説
トヨタのカムロードをベースとしたダイレクトカーズのキャブコン「ニンジャ」。2024年のジャパンキャンピングカーショー会場でアンベールされ、そのデザインと車体に施された数々の「しかけ」に驚いた人も多いはず。しかしこのニンジャの魅力はそれだけではない。アクティブな見た目の印象とは対照的に充実装備の落ち着いた車内空間はフラッグシップにふさわしい仕上がりになっている。
商用車的見た目から脱却。「見た目」へのこだわりに注目
2024年デビューのダイレクトカーズのキャブコン「ニンジャ」。カムロードベースとは思えない圧倒的な存在感。それに一役買っているこのフロントフェイスキットは、キャンピングカーとして、ベース車のライトトラックとは異なる、商用車然の払拭から提案されたオプションだ。ノーマルのカムロードは曲面形状が多用されているが、こちらは180度方向性を変えてスクエア形状をモチーフにデザイン。イメージは北米産大型SUVであり、トヨタタンドラのような感じ。大きなグリルにTOYOTAのロゴでクラシカルな印象を与えている。ボディサイドのグラフィックもフェイスからの流れで一体感を強調。ドアに関しても加工を予定している。
フェイスキットはスクエア形状をモチーフに押し出しの強い印象を与えている。グリルはハイラックスベースのBR75-Bと同様。バンパーはセンサー類に干渉しない形状となる
商用車然の払拭はもう1つ、キャブ(フロントシート)まわりのドレスアップもある。これは近年はやりの手法でもあるダッシュボードの加工。以前は化粧パネルの上貼りが主流だったが、現在はボードそのものを加工。純正パーツを使いレザー調の生地の貼り込みと塗装、ドア内張りやグリップ類、サイドブレーキ周辺も同様の仕上げにして一体感を演出した。
複雑な曲面形状がある部分でもきちんと生地を貼り込んで見た目を一新。ダッシュボードだけでなくドアの内張りも同様の加工を施している
気づかない、見えない部分に大容量の外部収納庫を備える
今回、車名をニンジャとしたのは「からくり」のような作りが多数施されているから。サイドのアンダースカート内には、メインバッテリーの位置を変更して大型のスライド式外部収納庫を装備。リヤもバンパーを引き出すと収納庫が現われ、上部のフタに上がればマルチルームの外部ドアから車内に入れる。忍者屋敷の「どんでん返し」的に使える。また、エントランスドア横にはスライドシンクを備える。いずれもその存在に気づかない隠し装備なのだ。
エントランス横からシンクが現れるのも独特。キャンプサイトでの使い勝手を大幅に高めている。リヤはバンパー一体型の形状で閉めた状態では収納庫があると気づかない
車内はリヤエントランス仕様ならではの対面シート+サイドソファの広々としたダイネット。5~6人でもゆったり過ごせる広さがある上に、サードシートは乗車姿勢も考えてリクライニング機構付きのシート。就寝は、このダイネットをフルにベッド展開するほかに、サイドソファのみでも1人が寝られるようになっている。さらにダイネットを展開しなくても、引き出し延長マット形式のバンクベッドも大人2人なら余裕で寝られる。
使用される家具は白色の木目調仕上げ。マルチルームのドアやキッチン、上部収納庫は逆傾斜の曲面形状。高級感だけでなく柔らかい印象を与えている。
リヤエントランスのメリットを生かした、広いダイネットを持つレイアウト
装備に関しては、フラッグシップと呼ぶにふさわしい内容で、電装関係は大容量のリチウムイオンサブバッテリーに高出力ソーラーパネルとインバーターを標準で装備。ルームエアコンの長時間駆動を可能にしている。また、これらの電装品と照明器具、給排水タンクを管理できるオリジナルのコントロールパネルも装備。FFヒーターを利用した床暖房システムも秀逸だ。
ダイネット上部にスカイライトウインドウを装備。採光性を高めるのはもちろん、ベンチレーター同様に換気にも役立つオリジナルの液晶コントロールパネル。各種スイッチに照度コントロール、給排水タンクやサブバッテリーの残量も確認できる家具は曲面形状を多用しているが、上部収納庫の扉は逆に反った独特なフォルム。ルームエアコンの本体は吹き出し口を残してカバーバンクベッドの開口部はアーチ形を採用。引き出し延長マット形式で昇降用の折りたたみラダーも付属される車内への動線を確保したスリム形状のキッチン。2口コンロー体型のシンク、上部には新タイプのレンジフードを採用サードシート後部にアイランドカウンターを配置。下部には電子レンジ、上部壁面にはワイングラスホルダーを備える大型ミラー付きの洗面台に最新のカセットトイレ、その奥に外部バゲッジドアを備える。濃い色の家具色が高級感を演出