キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」⑪RVパークはすぬま(千葉県)【連載】
キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2024年2月13日現在、日本全国にRVパークは413カ所ほど存在しています。
道の駅・ドッグランも隣接する海近くの便利なパーク
千葉県の東、太平洋に面する九十九里浜は、旭市の刑部岬からいすみ市の太東岬まで66kmにわたる海岸を指す。ここは源頼朝が太東岬から刑部岬の間を6町・1里とし、1里ごとに矢を立てたところ、その数99本になったことから名付けられた。
そんな九十九里浜の「へそ」ともいえる、中央にあるのが市の蓮沼。海岸地帯は砂浜と松林が連なり、成東海岸と蓮沼海岸の遠浅の海が広がり、夏場は多くの海水浴客が訪れる。また、平地地帯は肥沃な土壌を持つ九十九里平野で、田園地帯を形成し稲作はもちろん野菜や果実の生産も盛んな土地柄。
そんな場所にあるのが今回紹介する「RVパークはすぬま」。
田園が広がる県道58号(芝山はにわ道)沿い、公共施設である山武市蓮沼交流センターの敷地内にあり、道路を挟んだ反対側には道の駅「オライはすぬま」も隣接するという好立地だ。
大漁旗とこがね丸が出迎えてくれる「道の駅オライはすぬま」
パークの区画は6区画で、そのうち5区画は5×7.5mのサイズだが、1区画のみ5×14mと大型のクラスAやキャンピングトレーラーとヘッド車のセットでも滞在ができる。区画内であればオーニングの展開や車外でのイスやテーブルの展開も可能となっている。
設備としてはダンプステーションを備えているほか、トイレもバリアフリーとなっている。電源についてはAC100Vのほか、一部200V電源も取れるのもうれしい。ただし入浴施設は残念ながらなし。最寄りでは、パークから約1.7kmにある「蓮沼ガーデンハウス マリーノ」で日帰り入浴ができる。
パークから約1.8km、クルマで約4分の位置にある蓮沼ガーデンハウスマリーノ。ここは宿泊施設やレストランのほか、日帰り入浴施設も併設。営業時間は18:30~23:00まで。利用料金は大人700円・小人(3歳~小学生まで)500円。バスタオルは持参すること
新鮮野菜が手に入る。道の駅が目の前!
パークの魅力は何といっても道の駅が隣接する利便性のよさ。道の駅オライはすぬまは「イワシの郷」との愛称もあり、駅の入り口脇には高く掲げられた大漁旗とアイコンである漁船「こがね丸」が出迎えてくれる。 駅内の「レストラン蓮味」ではイワシなど千葉特産品を使った料理が味わえ、買い物も地元新鮮野菜や果実、魚介類や加工品などの購入が可能。さらに2023年4月には、パークと道を挟んだ反対側に「わんわん広場」もオープン。ペットとの旅で利用するのもお薦めだ。
物産館「喜太陽」では、新鮮な野菜やイチゴをはじめ、九十九里名物「いわしのごま漬け」などを販売
新鮮な魚介類を楽しむ九十九里観光もお薦め
周辺の観光も充実。「海食堂 九十九里倉庫」はRVパークはすぬまから約12km、クルマで約20分のところにある人気の食堂。県道30号には浜焼きが楽しめる食事処が多いが、ここは何といっても駐車場が広いだけでなく、ドッグランやBBQ施設、野外シャワーなどもあり海水浴などと併せて楽しめる。人気は網焼きで名物の春が旬の焼きハマグリや冬が旬の焼きガキがお薦め
自炊派にお薦めなのが海の駅九十九里。イワシ漁の盛んな片貝漁港の目の前に位置し、捕れたて新鮮な魚介類が手に入る。また、「いわし資料館」も併設され、九十九里の歴史や文化についても学ぶことができる
地元ならではの新鮮な食材調達のほか、歴史や文化も学べる海の駅九十九里(千葉県山武郡九十九里町小関2347-98 0475-76-1734)
夏場は海水浴客でにぎわう九十九里海岸。RVパークから約1.3kmには蓮沼海浜公園があり、プールやテニス、パークゴルフといった施設も備わりファミリーで遊ぶのに最適!
パーク周辺の夜は至って静か。また一部の区画で地面が傾斜している場所もあるが、無料でレベラー(車両の水平を取るためのアイテム)を貸し出ししているので就寝も快適。
九十九里で海水浴や初日の出、千葉東部の観光拠点などにはもってこいのパークといえよう。