ポタ電や鉛バッテリーとどう違う？キャンピングカーに搭載が進むリチウムイオンバッテリーのメリットとは

ポータブル電源を居住空間の電源供給元に採用するキャンピングカーが増える一方で、国産、輸入車を問わず複数のメーカーで採用が進んでいるのがリチウムイオンバッテリーによるサブバッテリーシステム。その利点はどこにあるのか、リチウムイオンバッテリー販売大手・オンリースタイルの製品を通して紹介する。

「電化製品を複数使ってもパワフルに長時間使い続けることができます」

こう話すのは多種多様なキャンピングカーを開発する大手メーカーのダイレクトカーズ。様々なリチウムイオンバッテリーを積極的に採用してきた。

ハイエースバンコン「ウィニー」に搭載したのはオンリースタイルのリチウムイオンバッテリー。

リチウムイオンバッテリーで電子レンジなど複数の家電を動かす

「オンリースタイルのバッテリーを今回初めての搭載しましたが、性能がよく、電化製品を複数使ってもパワフルに長時間使い続けることができます。容量低減もなく、必要な電力を必要なときに十分取り出すことができるのも魅力の1つです」という。

スペース効率に優れ架装の自由度が増すのがメリット

ダイレクトカーズのウィニーに搭載されたバッテリー。インバーターなどと一緒に座席の下に設置されている

ポータブル電源は自宅や、キャンプ先の車外など、様々なところに持ち出せる自由度の高さが魅力で、様々な機能がオールインワンとなったわかりやすさもユーザーには嬉しい。車中泊仕様車ならこれで十分。

一方でサブバッテリーシステムは、バッテリー、インバーター、充電器など、複数のパーツを組み合わせて構成する。必要に応じ複数台をつなげることもできるので、エアコンや電子レンジなど複数家電を動かすキャンピングカーでは必須の装備だ。スペースに合わせて各種パーツを組み込めるため、室内架装の自由度が増すのがキャンピングカーの架装メーカーにとっては大きなメリット。また、パーツが分割されているためメンテナンス性も向上する。

鉛のバッテリーよりコンパクトで繰り返しの充電にも強い。品質や安全性を追求し、最新型はここまで進化した

オンリースタイルのバッテリー。バッテリー端子部分に純正でカバーがついている。また、車載を想定し、衝突事故時の火災を極力防ぐために厚さ1.2mmのスチール製ボックスを採用している

リチウムイオンバッテリーはクーラーや電子レンジなどキャンピングカー設備の充実とともに、電源システムの強化のため注目されているパーツ。鉛のバッテリーより軽量・コンパクトなので、同じスペースでもより大容量のものを設置でき、繰り返しの充電にも強い。

このリチウムイオンバッテリーを長年扱ってきたのがオンリースタイルで、経験を重ねて、数々のデータを蓄積してきたというバックボーンを誇る会社だ。豊富なデータから、求められるスペック、システム構成など、ユーザーに合わせた提案もできるし、安全性を追求し続け、商品を進化させている点も特徴。

新型リチウムイオンバッテリーには、オリジナルBMSシステムやバッテリーセーバーを内蔵する充実ぶり。確実に電気を遮断する機械式リレーを採用したのは、技術者のこだわりだ。品質管理も徹底しており、輸入されたバッテリーのセルをチェックしながら、国内自社工場で組み上げ作業を行なっている。メーカーだからこそ、バッテリーモニターなど、専用の装置を開発できるのも強みだ。この数々の取り組みによって生まれたのが、新型リチウムイオンバッテリー。豊富なラインナップで、バンコンから輸入キャンピングカーなどにも、正式に採用され始めた。その実績がそのままこのリチウムイオンバッテリーの信頼性の高さだ。

オンリースタイルのリチウムイオンバッテリーには、専用バッテリーモニターが用意されている。最大300Aのシャント抵抗式電流測定を採用することで、大容量のバッテリーシステムでも、正確にバッテリーの状態を確認することができる。ケーブルを接続して、バッテリー内リレーと連動させ、過電流を感知すると、バッテリーの放電を停止する機能も搭載バッテリーモニターは残量、電圧、電流、使用電力の表示が可能。形状はパネルマウントとケースマウントの2種類がある