ついにお披露目されたナッツRV新型キャンピングカー「ゼニア」!全3タイプの違いを詳しく解説
ジャパンキャンピングカーショー2024で発表されたナッツRVの新型キャンピングカー「ゼニア」。一気に3つのタイプがお披露目されたが、それぞれどんな特徴があるのか?詳しく紹介していく。
室内高1900mmが生み出すラグジュアリー空間。2人で使う?ファミリーで使う?
ゼニアシリーズのべースとなったフィアットデュカトL3H2。車両サイズは全長5995×全幅2050×全高2525mm。室内高1900mmなので、室内を立って歩けるボディカラーは2色から選べる
ゼニアについては、ジャパンキャンピングカーショー開催前より、オートキャンパーwebでは様々なリーク情報を紹介してきた。
「国産最高峰」と言われるナッツRVのキャンピングカー「ボーダーバンクス」の後継モデルと目されていたが、実物は想像以上の仕上がり。全高1900mmというゆとりの高さと調度品の質感もあいまって、クルマの中とは思えないほど。
しかもレイアウト違いで一気に3タイプが発表された。価格は3タイプとも同じ1375万円~で、ルームエアコン、電子レンジ、冷蔵庫、大容量バッテリー、急速充電システム、FFヒーターといった充実の標準装備も同条件。
ではどこに注目して選ぶべきか?ボーダーバンクスの人気レイアウトを組み合わせて作ったという注目モデル「タイプTL」から早速見て行こう。
ラウンジソファにツインベッド、悠々の2人旅「ゼニア TL」
「L字ソファ」「ツインベッド」「マルチルームなし」の2人旅仕様
タイプTLがほかの2タイプと違うのは「マルチルームがない」こと。これにより車両の端から端まで見通しが良く、圧倒的な開放感を手に入れた。
ちなみに家具やファブリックはそれぞれ10種類以上のカラーバリエーションから組み合わせられるようになっている。後ほど紹介するタイプTやタイプLはまた違う色で家具が組まれているので、雰囲気の違いを見てほしい。
木目調が美しい家具は、軽く丈夫なPVC素材でできている。スポットライト照明が取り付けられたレール上にはUSBの電源ソケットもあり、好きな場所に充電ポイントを設置できる。
4人が座れるロングソファの足元には、コンセントや標準装備のFFヒーターの吹き出し口がある。
デュカトは運転席と助手席が回転できるようになっている。タイプTLでは助手席を後ろ向きにすると一緒にテーブルを囲める。
キッチンはスライドドアすぐ右手に配置され、上部にルームエアコンが取り付けられる。これは3タイプ共通。電子レンジも標準装備で、冷蔵庫は車内、車外、どちらからも使いやすいように両開きのものを採用している。
これが人気のツインベッドレイアウト。お互いの寝起きに気を使わなくて良いのが人気の理由だという。ベッド位置が少し高いのだが、中央にステップがあるので乗り降りは特に問題ない。
2つのベッドの間にマットを置くと、大きなベッドにもなる。この場合は3人が寝られるようになるので、+ペットでも、子供でも大丈夫。
ベッドの位置が高いのには秘密があり、ベッド下がこのように大きな収納庫となっているのだ。大型のアウトドアグッズも難なく入る。
収納庫にはツインベッドの下からもアクセスできるようになっている。ベッド中央部のステップ部分も無駄にせず、きちんと収納庫化しているのがありがたい。
3タイプのなかで最も贅沢に空間を使ったゼニア TL。ナッツRVなので床やボディの断熱施工も徹底しており、ルームエアコンとFFヒーターで季節を問わず快適なが旅ができる。国産キャンピングカー最高峰のおもてなしを受けたい方にオススメだ。
前向きシートとマルチルームがついた「ゼニア T」
「移動時に前向きで座れるシート」で「ツインベッド」「マルチルームあり」のファミリー対応
ゼニアTの後部はタイプTLと同じツインベッド。違いはその前からで、マルチルームがあるのがまず1つの特徴。
マルチルームの中は防水仕様になっている。そのまま汚れ物や濡れ物入れとして収納として使っても良いし、オプションのシャワーキットやトイレをつけてもいい。
また、2人掛けの前向きシートがあるのがほかの2タイプにはない特徴。ほかの2タイプは後部座席に座って移動する際、すべて横向きに座ることになるが、タイプTのみこのように前を向いて座ることができる。乗車人数は最大4人となるが全員前を向いて座れるので、ロングドライブに適している。
後部のベッドはタイプTLと同じ。人気のツインベッドルーム仕様だ。マルチルームがあるので、少し囲まれ感が高い。
就寝人員は最大3人、乗車は最大4人。2人旅でもマルチルームが欲しい人、ペットなどがいるから一緒に後部座席に座りたい人はこちらのタイプがおすすめ。
3タイプ最多の7人乗車5人就寝!後部レイアウトがカスタムできる「ゼニア L」
「L字ソファ」「マルチルームあり」「電動プルダウンベッドが選べる」でファミリー向け
ゼニア Lは前方はラウンジのようなL字ソファ、そしてマルチルームがついているのが1つのポイント。移動時より停車時のくつろぎを優先したいならこの快適空間は見逃せない。
しかしゼニアLの最も大きな特徴は、後部を常設ベッドのみか、電動プルダウンベッドをつけた2段ベッド仕様にするか選べるところだろう。
まずはノーマルな常設ベッドがこちら。幅が1900mmあるので横向きに2人+子供1人が寝られる大きなベッドだ。
ベッドマットの下はこのように大きな荷室となっている。ベッドマットを外せば天井までまるまる積載にあてられるので、大きな荷物を載せていきたい人はタイプLがイチオシということになる。
気になるのは2段ベッドバージョン。これは撮影車両に実装されていなかったので、ナッツRVが昨年発表したデュカトベースのキャンピングカー「フォルトナ」の写真で構造を説明する。
フォルトナCタイプの写真。後部が二の字シートで、電動のプルダウンベッドがついている
このように、移動中は二の字のシートとして使え、ベッドにするときは展開して全面ベッドに、さらに天井部分から電動プルダウンベッドを降ろして2段ベッドにするようだ。
多人数の乗車・就寝が可能になることと、日中はマルチルームを挟んで後ろと前で2つの部屋のように使えるのがメリットといえる。
熟成させてきたノウハウを一挙に放出してきたナッツRVのシン・フラッグシップ「ゼニア」シリーズ。これから全国のキャンピングカーショーに登場するので、ぜひこのサイズ感や質感を実物で確かめつつ、お気に入りのレイアウトを選んでみてほしい。