トイファクトリーから水不要・無臭・衛生的な災害対応の未来型ウォーターレストイレが日本へ
トイファクトリーが未来型ウォーターレストイレ「clesana(クレサナ)」を日本国内で販売することがわかった。排泄物を密閉する方式を採用したトイレで、使用時に一切水を使わず、12V電源があればどこでも設置可能などの特徴を持つ。すでに現在能登半島地震被災地へ支援活動中のトイファクトリーの開発した「トイレカー」にも搭載された。
災害時にも最適な新しいポータブルトイレ「clesana(クレサナ)」
トイファクトリーから日本国内での販売が発表された「clesana」。大きな特徴は何といっても水を使わないということだが、そのトイレの仕組みはこうだ。
本体内部にセットされたロール状のフィルムライナー(密閉式パック)が使用毎に自動密閉され、排泄物が袋に密閉された状態となる。このフィルムも高品質なものとなっており、完全密閉後は車内で保管しても臭いが気にならない。そして衛生的な環境も保てる。これは医療現場にて排出される感染性廃棄物も、この「clesana」で密閉してしまえばえば安全に処理が可能ということからも、そのよさがよくわかる。さらに密閉後の排泄物は基本的には燃えるゴミとして処理できる。
またこの密閉式という点から、排泄物以外、つまり通常はトイレに流すことのできない生理用品やおむつなども、いっしょに密閉して処理してしまえる。生理用品やおむつなどもゴミとして保管すれば臭いや衛生面が気になるものだが、その問題も解決できる。同じように食べ残しなども処理でき、キャンピングカー車内のような限られた空間ではもちろん、今回の震災後の避難生活でも役立つ。
そして今までキャンピングカーで一般的だったカセットトイレなどと比べると、排泄物(汚水)を貯めるタンクの処理が必要なく、消臭や排泄物の分解のための化学薬品も必要ない。手間なく、しかも環境に優しいというのもポイント。
機能面だけでなく、デザインもいわゆるポータブルトイレとは違い、親しみのある水洗トイレのような雰囲気だ。もしもの備えとしてのトイレと考えた時に、非常時こそ普段と大きな違いがないトイレを使えることは、安心をもたらしてくれるのではないだろうか。なお、この本体には密閉後の排泄物をそのまま約8回分ストックできる収納スペースもある。
また、インテリアにこだわったキャンピングカーであればあるほど、簡易トイレ的デザインではなく「clesana」のようなトイレが似合う。水を使わないため、取付や設置が複雑ではないというのもキャンピングカーにぴったりだ。
このように、この「clesana」、簡単、エコ、衛生的そしてデザインも洗練された「未来型ウォーターレス」なすごいトイレなのだ。
「clesana」が搭載されたキャンピングカーも登場
さっそくこの「clesana」が搭載されたキャンピングカーやクルマも登場している。
能登半島地震による長引く水不足と、それによるトイレ問題を受けて緊急開発されたトイファクトリーによる「トイレカー」で活躍しているのは既報のとおり。操作も簡単で、フィルムロール1本で36〜50回使用可能というのもこういった災害時に役立つ秘密だ。
さらにジャパンキャンピングカーショー2024で発表されるフィアット・デュカトベースの新モデルにも搭載されるとのこと。
そして今後トイファクトリー製キャンピングカーのマルチルーム付モデルでの採用はもちろん、他キャンピングカーメーカーの車両やキャンピングトレーラーにも設置が可能というアナウンスも。また、トイファクトリーによるトイレの取付施工に限らず、個人、団体などへの製品そのものの卸や販売も行う。
すでに活躍を始めているこちらのトイレ。これからのキャンピングカーやポータブルトイレの新しい形となるのではないか。