キャンピングカーユーザーの目線で、東京オートサロン2024を斬る!
幕張メッセを会場に1月12~15日まで開催された、世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2024」。今回は会場に展示されていた注目モデルを細かく紹介していこう。
ロッキー2から手軽に車中泊が楽しめるキットが誕生!
ロッキー2のブースに展示されていた「フリードMV+」。こちらはホンダ・フリード+をベースに気軽に車中泊が楽しめるベッドキットとサイド&リヤテーブルを装備した「車中泊KIT」。さらに92Ahサブバッテリーと走行充電システム、LEDランプといった電装システムをプラスした「車中泊+電装キット」。そして1500WインバーターにFFヒーターなど、本格キャンパー装備を搭載した「camper KIT」の3グレードを用意。
フリード+はクロスターやブラックスタイルをベースにすることも可能。どのキットもベッドマットとフレーム、テーブルの展開もしやすく、すぐに休める。また車内で対面ダイネット展開ができることも大きなポイントでフロアに足を下ろしたままくつろげるのがうれしい。
ダイレクトカーズは3台の人気モデルを展示
ハイエースをベースに80sスタイルを感じさせる角目2灯のフロントマスクに加え、全面ウッドパネルを採用したインテリアによる温かさが感じられる「リトリートアニバーサリー2」。会場ではサイドのスライドアウトキッチンなど、独自アイデアによる装備に多くの人が立ち止まって見入ってる姿が印象的。
ほかにも、2023年グッドデザイン賞を受賞した「SUVアドベンチャーキャンパーBR75」。トヨタ・ハイラックスをベースにオリジナルシェルを搭載した斬新なスタイルと機能的なレイアウトは見た目のクールさと実用性を両立。
オートワンはポップアップルーフ搭載の定番モデルを出展
軽キャンパービルダー老舗であるオートワンは「給電くんポップアップルーフ」と「ピッコロキャンパープラスポップアップルーフ」を出展。給電くんのほうは、特別仕様のホワイトエディションバージョン。ウッド独特の温もりとレザー調のホワイト就寝マットで明るい雰囲気に仕上げている。100Wソーラーパネルやサブバッテリー、2000Wインバーターで家電なども使えて快適。ピッコロキャンパープラスのほうは基本装備が充実し、4人乗り4人就寝が可能。ボディカラーにNWEオプションのサンドバーペイントを用意し、優しい色遣いで女性にも人気となっている。
創業25周年の集大成「オフタイムBase」がデビュー
エブリイをベースにした軽キャンパー「オフタイム」シリーズに安全性や快適性をプラスし、さらに見た目にもこだわった「オフタイムBase」が登場。スマイルファクトリーといえばオリジナルのエアサスペンションキット「キャンサス」でも知られており、リヤにキャンサスを装備。フロント側にはサスペンションメーカー「テイン」と共同開発した車高調整式サスペンションを新採用。また、ブレーキラインもしっかりと強化し架装による車重増でのストッピングパワーにもしっかり配慮。それでいて4cmのリフトアップにより大径タイヤの装着も可能としている。室内のほうは室内空間の拡大や収納スペースを増やすなど、使いやすさと安全性を考えたトータルバランスを重視した装備と作りが魅力となっている。
釣り好き必見! ユーアイビークルのハイエース
UI-Vehicleが展示した「フィッシングスタイル イエローハイエース」は釣り具メーカーとしても知られるSHIMANOのインストラクター、山本啓人さんが実際に利用している車両。
荷物の出し入れがとても楽な耐荷重300kgのスライドフロアをはじめ、アルミスライドバーやロッドホルダー、サスペンションに前後スタビライザーなど、トータルでカスタム。ほかにも、今年の新商品であるデニム生地のシートカバーやエンジンカバーも展示。
日産サービスセンターのキャラバンはメンテしやすい6分つや消しブラック塗装を施工
「日産サービスセンター」ブースではオグショーとのコラボモデル「NISSAN CARAVAN ES TX SEMI GLOSS Edition」を展示。俗に言うマットブラック(つや消し黒)とは異なり、60%の”Matto”(6分つや消し)で塗装することでメンテ性がアップ。今回のミッドナイトブラックのほかにも、今後はホワイトやステルスグレーの「SEMI GLOSS PAINT(セミグロスペイント)」も予定。ほかのパーツはオグショーのES TXインテリアパーツに加え、ES TCベッドキットにシートカバーなどをふんだんに装着し、クールな1台に仕立てている。
カリフォルニアスタイルが斬新!Calʼs Motorから「カリカ」の特別仕様車が発売
昨年のオートサロンで話題をさらったハイエースベースの「カリカ」。角目4灯のフロントフェイスに2トーンのボディカラーでレトロなスタイルを表現。カリカはグリルやバンパーの形状によりUSスタイルとEUROスタイルを設定しているが、今回特別仕様車として「「Retreat(リトリート)」パッケージ」が発売。こちらは声が多かった車中泊がしたいというのを実現した8ナンバー登録モデル。ハイエースDX、スーパーGL(5人乗り)をベースにせかんとシートにREVOのバタフライシートを装備。セカンドシートとリヤのベッドマットでダイネット展開ができる設計。シンクやコンロなども標準装備で電装についてはポターブル電源の利用が前提となっている。価格は2.0L ガソリン/2WD 568万円~。
スウェーデン・中国など、プレミアムキャンピングカーが揃う三厚ブース
海外のプレミアムキャンピングカーを輸入・販売、レンタルサービスなどを行っている三厚。スウェーデンのビルダー・KABEの日本代理店であるカーベジャパンがグループ会社にあるということもあり、ブースにはカーベのプレミアムモデル3台がずらり。そのほかにも中国のDACHI RVやJing Hangなど、合計7台のモデルが展示された。
ショーの直前に日本へ到着したというJing Hangと「FUTURE」は参考出品。FUTUREはイタリアのイヴェコ・デイリーがベース。どちらのモデルもスライドアウト機構のほか、ドラム式冷蔵庫が装備されているのが特徴的。
カヤバからフィアット・デュカトキャンパー用のサスペンションが2025年春に発売予定
足まわりのプロ「カヤバ」。そんな同社のブースに展示された「KAYABA Camper Concept」はフィアット・デュカトをベースにしたキャンピングカー。注目は前後足まわりでキャンピングカー特有の架装による重量増でもしなやかな走りを実現するセッテイングや開発を現在行なっており、来年の春には専用のサスペンションが発売される予定。また、展示車はプロトタイプだが内装も含めたオリジナルのキャンピングカーも今後登場するとか!? こちらも続報が待たれる。
キャンピングカーのベース車利用も想定しているいすゞの「ELF mio」は6月ごろ発売
オートサロン初出展のいすゞA&Sにはエルフよりも小型な弟分である「ELF mio(エルフミオ)」を展示。エルフミオは車両総重量3.5t未満のため、普通自動車免許で運転が可能。おまけにクラス唯一のディーゼルエンジンを搭載する。発売は6月を予定しており、今後は多くのキャンピングカーのベース車になることもありそう。展示車両の「エルフミオ アウトドアエディション」はイエローとブラックのエクステリアに加え、パイプフレームやテントなどが備わり、荷台部分でくつろげる仕様。インテリアパネルにもイエローを使い、シートカバーが装着されていて商用車らしさを払拭。小型トラックで外遊びやキャンプなどの使い方を提案していた。
TEXT&PHOTO:伴 隆之