最大7人前向き乗車、超ロングスライドレールで2列目3列目が自由に動くキャラバンのキャンピングカー
「ウゴク・トドマル・ネル」が名前の由来のアネックスの車中泊仕様「ウトネ」シリーズ。ハイエースベース、NV200バネットベースに続いて、キャラバンベースの「ウトネ300」がリリースされた。自由に動くスライドレールの上に2列目3列目シートを乗せ、自由度の高いレイアウトと、アルミやアイアン、ウッド素材をたくみに使って遊び心を刺激するインテリアが印象的なモデルをレポート。
超ロングスライドレールでレイアウトの自由度爆上がり
ウトネ300がシリーズ前2作と違うのは、ポップアップルーフをつけていないことだ。
キャラバンのロングボディ・標準幅・標準ルーフがベース車で、車両サイズは4695×1695×1990mm。乗用車なら5ナンバーのサイズで機動力も抜群。ポップアップルーフ架装がない分お値段もぐっと手頃になる。
次は室内を見ていこう。
超ロングスライドレールをクルマの端から端まで敷いて、その上に2列目と3列目シートを乗せている。このシートにはREVOという可変するシートを採用しており、好みの位置で「走行中は2列目を前向きにして最大7人が前向き乗車」「くつろぎタイムには2列目を後ろ向きにして3列目とテーブルを囲む」「2列目と3列目を平らにしてベッドに」といったレイアウトを作ることができる。
超ロングスライドレールとREVOシートの恩恵はこれだけではなく、REVOシートをたたんで前方か後方にまとめると、大きなカーゴルームを作り出すこともできる。まずは前にシートをまとめたパターン。
トランスポーターとして自転車などを乗せることもできそうだ。シートレールの手前にあるアイアンのバーは荷物の滑り防止用として取り付けられている。
手前側のキャビネットを開けると給排水タンクや電装系パーツが。メンテナンスしやすい位置に置かれているのが嬉しい配慮だ。
今度はシートを後方にまとめた場合。たとえばキャンプサイトで、キッチンだけ使いたいという時にオススメなレイアウトだ。フロアはウッドを敷いており、土足で上がっても気にならないしっかりした仕上げになっている。
ベッドにしたところ。室内全体の写真で、3列目シートの背後にまとめられていたマットを上段ベッドとして、平らにしたREVOシートを下段ベッドとして大人4人が寝られるようになっている。上段ベッドのサイズは1800×1500mm、全高1990mmのコンパクトなボディだがマットと天井の間は500mm以上の高さが確保されている。
キッチンは車両右側に造り付けられており、スリムでスペースを取らない。オリジナルのFRP製シンクに上開きの冷蔵庫が標準装備されている。壁に取り付けられた有孔ボードはオプション設定だが、雰囲気も良いし物を吊したりと使いでもある装備なのでオススメだ。
間接照明を付けたウッドの釣り天井も効果的に雰囲気を演出している。車両後方の左右にアイアンのバーが設置されている。こういった異素材をうまく組み合わせているのもウトネの特徴。
本格キャンピングというよりはファーストカーとしてガンガン乗り回しつつ、デイキャンプや車中泊、アクティビティの相棒として使うのが良いだろう。車名にある通り、移動中、くつろぎタイム、就寝それぞれのシーンのQOLがあがること間違いなしだ。