10人乗車5人就寝エアコン搭載、居住性も走行性能も求める人に最適な国産バスがベースのキャンピングカー
2023年は3月にトヨタのマイクロバス「コースター」の改良版が発売された。カムロードのディーゼルと同じ1GDエンジンが搭載され、走行性能が一新。国産バスコンの代名詞であるロングセラーモデル「ランドホーム」も進化を遂げた。コースターと三菱ふそうのローザをベースとしたランドホームの2023年版を改めて振り返る。
より快適な旅を求めて、定番を大切にしつつ装備は最新に
ランドホームのベースとなっているコースターは2023年3月に、新たにカムロードのディーゼルと同じ1GDエンジンが搭載された。静寂性や中高速域のレスポンスが向上し、もともと人を乗せるバスという車両であることもあり、走行中は後部も含めて快適。
車内は発売以来変わらないレイアウトで、前後にダイネットを持つ2ルーム設計が基本だが、最近は購入者層の多くが リアにオプション設定の常設ベッド仕様を選ぶという。まずは基本のリアダイネットから見ていこう。
これが基本の後部ダイネット。テーブルを下げてその上にマットを置くとベッドに展開できる。前と後ろそれぞれで大人数がくつろげて便利だ。
そして、下の写真が人気となっている常設ベッド仕様。正面の上部に見えているルームエアコンは標準装備で、その下は大型とキャビネットと棚が備え付けられている。ベース車はバスなので本来は左右に大きな窓があるのだが、FRPでその窓を埋めて、かわりにアクリル2重窓を取り付けている。これにより適度なプライベート感と断熱性の向上効果がある。主寝室として満足できる空間だ。
窓埋め加工した部分を外から見るとこのようになっている。ランドホーム伝統の外観処理で、ボディとの段差が少ないフラッシュサーフェスのアクリル2重窓を採用し、見た目もスマート。
ベッドの下は純正のリアハッチを利用した外部収納庫となっている。長尺物を積むときは奥に見える扉を開けるとフロアまで貫通して使える。
キッチンはエントランス右手に設置。上下にも大容量の収納を備えており、大きな調理台と丸形シンクで使いやすい。奥に見える電子レンジと冷蔵庫は標準装備で、冷蔵庫の扉は左右両開き。レイアウトなどは発売以来変わらないが、家電や電装系装備は最新のものにブラッシュアップされている。
マルチルームには上部に走行中クーラーダクト、下部ににFFヒーターの吹き出し口が設置されており、通年快適に使えるつくり。オプションでトイレを置いてもいいし、完全防水仕様を選択することもできる。
エントランス横にはシューズボックスを想定した収納が用意されている。ダイネットの位置的に、ここにテレビを設置すると見やすいだろう。
バスならではの乗り心地のよさと最新装備、十分に価値のあるモデルといえる。
もうひとつのランドホーム「ランドホーム ローザ」
ランドホーム ローザはランドホーム コースターのベース車違い。こちらは三菱ふそうのローザ ショートボディをベース車としている。写真のように、ローザはボディカラーのバリエーションが豊富なので、個性を演出するにも最適だ。
レイアウトは大部分が共通だが、エントランス位置が異なるので、ローザの場合は対面ダイネットの横に単座の横座りシートが設けられ、よりゆったりとした空間に。キッチンには延長調理台が設けられ、単座シートの上に展開される。
前後2ダイネットを基本レイアウトとしながらも、リヤを常設ベッドに変更できるのもコースターと一緒。エアコンも同様にリア後部の正面に設置されているがローザの場合は若干位置が低く、上部収納庫は設定がない。目に見えない部分だがエアコンの動作に使用するバッテリーが若干異なり、こちらの方が駆動時間が長い設定だ。
ベース車が違うので、運転席部分がかなり異なる。ローザは走行中のクーラーユニットが後部のルーフにあるため、運転席の頭上が開放的だ。後方からの視界もよく、快適な道中になるだろう。
ランドホーム ローザは7人乗車5人就寝だ。