6人乗車4人就寝、ファミリーに最適な完全防水マルチルーム搭載、電動ベッドが便利なキャンピングカー
東和モータース販売がナッツRVと共同開発したフィアットデュカトベースバンコンの「スペランツァ540M」。2023年のキャンピングカーシーンを振り返る上で外せない1台を紹介する。
日本のニーズと気候に合ったデュカトキャンパー
デュカトベースのキャンピングカーをわざわざ作らなくても、東和モータース販売はドイツのデスレフを始め、ヨーロッパのキャンピングカーも扱っている。その中には「クリフ540」といったデュカトベースのバンコンもあるが、どのようにすみ分けているのか?
実はクリフなどの欧州車はぜいたく2人旅仕様が一般的。一方で、「スペランツァ」は日本のユーザーのニーズに合わせ、ファミリーを想定して開発された。輸入車と違い、スペランツァは国内架装なのでトラブルへの対処やメンテナンス体制もより手厚くできるというメリットもある。
スペランツァは「540C」と「540M」の2タイプが展開されている。Cはクローゼットで、Mはマルチルーム。セカンドシートの背面に配置される設備で名前が変わる。
まずフロントダイネットから見ていくと、フロントシートの回転機構を活用して4人が対面できる。シートの回転はレバーでロックを解除して行うが、ドアやハンドルに干渉することはない。テーブルが延長するタイプで、助手席側でも使いやすくなっている。キッチンが近いので、食事はここでとるのが便利そうだ。
キッチンはフロントダイネットの横に配置。電子レンジも冷蔵庫も標準装備だ。冷蔵庫は両開き扉で、車内外からアクセスしやすい。
次に、マルチルームを挟んで、リアにも2人+2人で対面できるダイネットが用意されている。リアハッチの大きな窓を含め、3方に窓があるので閉塞感は全くない。
テーブルはポールが簡単に抜ける構造なので、荷室として使うこともできる。シート下は右側は給水タンク、左側は収納としてフリーに使える。
スペランツァはこのリアダイネット部分が主寝室となる。まず、背もたれを中央部に置くと2名のベッドに。
次に、オプションの電動プルダウンベッドを採用することで、もう2人が就寝できるようになる。電動プルダウンベッドは好みの高さに設定でき、最大で970mm下げることができる。これでファミリー4人の寝室が完成だ。フロントダイネットでくつろぎの、リアベッドで眠る、とシーンを分けて使うことができる。小さな子供連れなどには最適なレイアウトといえる。
スペランツァ540Mが小さな子連れ旅に向いている理由のもうひとつがマルチルーム。幅600mm×奥行き770mmで、高さは1740mm。ポータブルトイレを置けば夜間も安心だ。
ほかにも、写真のようにオプションでシャワーキットをつけるのもいい。完全防水のFRP仕上げなので収納庫としても濡れモノOKで使いやすい。540CかMか迷う際は、家族構成とこのマルチルームの使い途から考えると良いだろう。
その他の注目装備としては、ルームエアコンはオプション設定で、設置する場合はキッチンの真上に取り付けられる。ちょうど車内の中央部分なので、車内の前後ともに冷気が行き渡る設計だ。
電動スライドステップと網戸は標準装備。スライドステップは助手席後部に操作スイッチがある。デュカトのフロアはさほど高くないが、それでもステップが1段あるとかなり楽。
スペランツァ540Mはフィアットデュカトがベース。車両サイズは5410×2050×2520mm。
6人乗車、2人+子供2人就寝が可能だ。