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キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」⑥【連載】RVパーク 道の駅尾瀬かたしな(群馬県)

キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2023年5月2日現在、日本全国にRVパークは324カ所ほど存在しています。

尾瀬の玄関口に位置する道の駅併設のパーク

「夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空〜」の愛唱歌で知られる『夏の思い出』(1949年発表)の舞台である尾瀬。本州最大の湿原がある尾瀬は、夏には900種を超える高山植物が咲き誇り、秋は美しい紅葉が楽しめるとあって多くの人が訪れる。そんな尾瀬は国立公園に指定されており、福島県、新潟県、群馬県、栃木県の4県にまたがる高地にある盆地状の高原。日本最大の山地湿原である尾瀬ヶ原、噴火により只見川の源流部が堰き止められてできた尾瀬沼、これらを取り囲む至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、田代山、帝釈山などの山々が織りなす美しい風景が特徴で、日本百景にも選出されている。

尾瀬へのアクセスのひとつ、群馬県側からの玄関口となるのが片品村。片品村は福島県会津若松市の国道49号から群馬県沼田市の国道17号までを結ぶ国道401号と、栃木県日光市から沼田市を結ぶ120号(愛称:ロマンチック街道)が通っており、交通の便はいい。ここ片品は尾瀬の観光以外にも関東地方唯一の特別豪雪地帯でも知られており、周辺にはスキー場が多く点在し冬も観光やスキー客が多く訪れる人気のエリア。

そんな片品村の中心部にある村役場の隣に「道の駅尾瀬かたしな」があり、2023年5月にRVパークがオープンした。

道の駅併設だから利便性はバツグン

道の駅尾瀬かたしなは駅舎の目の前に第1駐車場、役場裏に観光バスなど大型車用の第2駐車場があり、RVパークは第2駐車場内となっている。停泊は3台までで、区画サイズは長さ7m×幅4.5m。区画内でのオーニングやテーブル・イスの展開は可能。ただし、キャンピングトレーラーの留置きは不可となっている。トイレや水については駅舎施設を利用。駅舎の直売所前には天然の湧き水を汲めるようになっているので、美味しい水が無料で手に入るのは大きな魅力だ。

RVパークのある第2駐車場は観光バスなど大型車両も駐車するため、早い時間にチェックインすると若干騒がしくなるときもある。道の駅が閉まる夜間は至って静か

ドッグランが併設されており、大型犬、小型・中型犬と分かれているので安心足を洗うシャワーも完備
ドッグランには足を洗うシャワーも完備

さらに駅舎では標高の高さと冷涼な気候の恵みで収穫される、トマトやトウモロコシ、まいたけ、レタス、大根、豆類などが販売されており、車内調理も新鮮野菜が使えるなど利便性が高い。外食派には地元産小麦と名水百選に選ばれた水を使って作る尾瀬名水うどんが自慢の「かたしな食堂」をはじめ、地元のシェフや主婦が週替わりで自慢の料理を提供する「村民キッチン」、花豆・トマト・リンゴ・ハニーソフトクリームが楽しめる「スナックコーナー」といった駅施設があるので、食事に困ることはないだろう。

ほかにも駅舎入り口の反対側には遠くに尾瀬アヤメ平などの稜線、近くには尾瀬大橋が眺められる展望テラスがあるほか、鎌田温泉尾瀬の湯の源泉かけ流し足湯もあり、ゆったりリラックスしながら眺望が楽しめる(足湯は冬期閉鎖)。ほかにも芝生や水遊び場、砂遊び場などがある「813(はちいちさん)ひろば」は子供も大喜び。

展望台からは遠くに尾瀬アヤメ平といった稜線、近くに尾瀬大橋が見え眺望バツグン

展望台には足湯も! 鎌田温泉尾瀬の湯の源泉かけ流しでゆったり休憩できる
広大な広場には芝生や水遊び場、砂遊び場などもあり子供といっしょでも安心

駅には入浴施設はないものの、約450m(徒歩約6分)のところには「寄居山温泉ほっこりの湯」があるので湯船で疲れを癒やすこともできる。

「ほっこりの湯」RVパーク 道の駅尾瀬かたしな
〒378-0415 群馬県利根郡片品村鎌田3967-1
0278-25-4644  http://oze-katashina.info/michinoeki/
当日予約:○ WEB予約:○ トイレ:○(暖房便座) 炊事場:×(水道はあり) ペット:○ ダンプステーション:×  入浴施設:○(シャワー) AC電源:○ 発電機:× ゴミ処理対応:○ Wi-Fi:× コインランドリー:× キャンピングトレーラー:×
利用基本料金(※時期により異なる)
一般(クルマ1台):3000円〜3500円
チェックイン:13:00〜17:00/チェックアウト:9:00〜11:00群馬県利根郡片品村鎌田4078-1 0278-58-4568
古くから地元の人に愛される公衆浴場。「大崖の湯」と呼ばれる源泉で、無色透明なアルカリ性単純温泉。営業は13:00~20:00で木曜定休。料金は大人650円、子供450円、幼児は無料

自然いっぱいの尾瀬は観光・アクティビティが豊富

観光地はやはり尾瀬へのハイキングや登山などが定番だが、国道401号線沿いにある東洋のナイアガラとも呼ばれる「吹割の滝」もぜひとも立ち寄りたい。豪快に飛散するさまの荒々しさと天然ミストによるリラクゼーションが堪能できる。

尾瀬と言えば湿原でのハイキングが有名。高原植物を愛でたり、季節の移ろいを感じたりと一度は訪れたい。写真提供:「尾瀬の郷 片品村」
片品川は、泙川合流点から栗原川合流点の間を吹割渓谷と呼び、岸には屏風岩もそそり立つ。吹割の滝は高さ7m幅30m余にもおよび、飛散する瀑布は東洋のナイアガラの別名もあるほどワイルド。下流には鱒飛の滝もあるので、合わせて見るのがお薦め。国道401号沿いには大型車にも対応した駐車場もある

ほかにも国道120号を栃木方面に向け少し走れば丸沼高原スキー場があり、スキー場にある日光白根山ロープウェイに乗れば標高2000mからの大パノラマが楽しめる。ほかにもスキー場近くの丸沼にはダムもあり、駅舎ではダムカードの配布(ダムを見に行った写真が必要)も行なっていることもあってここへ訪れる人も多いとか。

全長2500m、高低差600mもある日光白根山ロープウェイは片道の所要時間15分。料金は平日・往復で大人2200円(土日祝は2500円)、子供とペットは曜日に関係なく1000円。標高2000mにある山頂駅からの景色は素晴らしく、遠くには浅間山、四阿山、草津白根山、武尊山、谷川岳、至仏山、燧ヶ岳(ひうちがだけ)などの百名山や丸沼、菅沼などを見ることができる。
山頂駅の周辺には天空テラス&カフェや足湯などもあり、のんびり過ごせる
希少性が高く、かつ最大の堤高を誇るバットレス式ダムの丸沼ダムは重要文化財にも登録されている発電用ダムとして重文指定は全国初とのこと
発電用ダムとして重要文化財への指定は全国初とのこと

ショッピングについては基本的に駅で済ますのがおすすめだが、約600mの位置に「スーパーいのうえ」、約1kmに「デイリーヤマザキ尾瀬大橋店」もある。筆者は関越道・沼田ICから国道401号使って北上して行ったのだが、国道沿いには観光農園や養蜂園をはじめ、数多くのとんかつ店が点在。聞くと、ロマンチック街道のほかにも上州沼田とんかつ街道という別の愛称まであるとのこと。国道を走りながら気になるところで買い物や食事をしてみるのもきっと楽しいだろう。 実際に訪れてみると、その雄大な自然による懐の深さに楽しみ方はさまざまだと実感。ハイキングやスキー、キャンプなどをはじめ、自然が織りなす景勝地を巡ってみるのも楽しいはず。それらの情報は道の駅で手に入れることができ、食や買い物も駅内で済ますことができる。クルマ旅をする上でとても利便性の高いパークだ。

駅内ではトマトやトウモロコシ、まいたけ、レタス、大根、豆類などの新鮮野菜をはじめ、リンゴや加工食品なども販売。片品村は東京五輪2020の際にホンジュラスのホストタウンだったこともあり、ホンジュラスコーヒーを販売。名水で淹れるコーヒーも格別
人気のお土産は「片品村のはなまめ甘納豆」で、片品産の花豆を100%使った甘さ控えめで上品な味わいが特徴
水汲み場「花の谷湧水」はその名の通り湧き水で、採水口は2つ。もちろん飲用してオーケー
駅内にある食事処「かたしな食堂」の人気メニューは「尾瀬名水うどん」。平成の名水百選に選ばれた水と群馬県産小麦「サトノソラ」を使用してこねあげられ、コシもあってのどごしや歯ごたえも抜群。もり・かけ・ぶっかけに大・並・半のサイズなど、好みのものが選べるほか、新鮮な地元野菜を使った季節の天ぷらも楽しめる
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