6人乗車4人就寝、2つのダイネットとベッドがファミリーで使いやすいデュカトベースのキャンピングカー
ナッツRVがフィアットデュカトをベースに手がけたバンコン「フォルトナ」。得意とする高断熱性と電装システムのノウハウをこの新しいベース車にも惜しみなく注ぎ込み、ファミリーで使いやすい1台に仕上げた。
広々ダイネットがファミリーに最適
ゆったり感上々の2ダイネット
キャンピングカーでデュカトをベース車にするメリットの1つがフロントシートに回転機構が組み込まれていること。通常の前向きから自在に向きが変えられる。完全に後ろ向きとなる180度まで動かせるが、右ハンドルの場合助手席を120度と斜めにするとテーブルが使いやすい。
憧れの欧州車でよく見るフロントダイネットが国産バンコンでも実現する嬉しさ!スリムなキャビネットのおかげで足元にも余裕があり、対面する人と足がバッティングすることはない
また、クローゼットをはさみリアにもダイネットがある。横座りのダイネットで2人の着座なら十分余裕がある。囲まれ感のある空間に思えるが、実際に座ってみると大きな窓が2面についているので、圧迫感は感じない。
リアのバゲッジドアからもアクセスできる収納庫が座席についているキッチンはフロントダイネットの脇に設置。シンクのほかに540×440mmの固定式調理台がある。スライドドア側にある冷蔵庫は両開きなので車内外からアクセスできるという便利さ
ベッドも2カ所で大人と子供に分かれて寝られる
フォルトナCタイプは、兄弟車のMタイプにはないダイネットのベッド展開を可能としている。テーブルを下げてセットして、補助マットを置けば完成。長さこそチャイルドベッドサイズだが、幅は十分なので小さな子供2人でも寝られる。
フロントダイネットをベッド展開したチャイルドベッド。サイズは1500×900mm。テーブルを下げてその上に背もたれと補助マットを置くだけで完成リアにオプション設定された電動プルダウンベッド電動プルダウンベッドはウッドスプリングを採用し、寝心地も上々。プルダウンベッドを選択した場合、就寝人数は4人+子供1人となる
リアのダイネット兼ベッドと分かれて、子供を先に寝かしつけてから親はリアのダイネットで過ごす、そんな2ルーム的な使い方もできる。
収納力が増して多人数の荷物も楽々収納
フォルトナCタイプは、Mタイプと比べ前後ダイネットを分割するクローゼットがスリムなので、その分開放的に感じられる。また上部収納庫に関しても、前方部分に棚が追加され収納力が増している。
Cタイプのみに用意されたフロントシート頭上の上部収納庫。日常の小物を置いておけばすぐ取り出せて便利だフロントシート上はオープンタイプの収納となっている。内部は樹脂製なので運転時の積載物のガタガタ音も軽減。補助マットを置くのがいいだろうMタイプはマルチルームが置かれる位置を、Cタイプはクローゼットにしている。幅は320mmとスリムだが奥行きは700mmもあり、上下を分割する棚板つき。上方はハンガーバーつきなのでワードローブとして使える
Mタイプと比較すると、こちらはファミリーユースにも対応できる作り込み。5410mmという全長を考えるとバランスがいい。
快適性を追求した電装システムと高断熱性
高効率充電システム「エボライト」&リチウムイオンバッテリー
電装システムに関しては、これまでの多くのノウハウを余すことなく施した。フォルトナには独自の高効率充電システム「エボライト」を標準装備として導入。サブバッテリーにはリチウムを使用した。200Ahと十分な容量がある。ルームエアコンはオプション設定だが、その際は追加で200Ahのバッテリーを搭載することもできる。
抜群の断熱性能を誇る「エアフォリア」を採用
昨今のキャンピングカーはエアコンやクーラーの充実化が進んでいるが、車体をきちんと断熱処理していないと効果が発揮されない。そこでナッツRVは「最強の断熱素材」ともいわれる「エアフォリア」をルーフと壁面に採用。床には高断熱コンポジットパネルを敷き、足元からの冷えも防いだ。目に見えない部分だが、こういった処理がユーザーの快適性を大きく左右する。
フィアットデュカトがベース。乗員人数は6人フロントのダイネットをベッド展開し子供2人、リアのダイネットのベッド展開で大人2人が就寝可能。オプションで電動プルダウンベッドも選択できる