LPガスを買う!LPガス質量販売 緊急時対応 「講習」とは⁉︎
キャンピングカーに関連する企業で構成された組織である日本RV協会が、関係省庁に長年働きかけてきた中で、2022年7月15日に改正されたのが、LP法施行規則の一部緩和! これはすごいニュースなのである。LPガスの質量(充てん)販売に、30分ルールがなくなった、のだから。キャンピングカーだけでなく、キッチンカーや屋台(移動販売業者)も大喜び︎の、LPガス質量販売緊急時対応講習についてレポートしよう。
キャンピングカーへの充填は、LPガス販売事業者が30分以内に到着できるところ?!
これまでは、LPガス販売事業者がいざという時に駆けつけて措置を行なうことができる30分以内の場所にしかLPガスを販売することができなかったもの(LP法施行規則の運用運用及び解釈と保安機関の保安業務規定の認可に係る運用及び解釈=通称30分ルール)を、一般消費者が一定の条件をクリアすることでこのルールを免除するというものが。これまでLPガス販売事業者の責任だった緊急時の対応を、キャンピングカーユーザーが自ら行うことで緩和=LPガスの供給&入手が柔軟に行えるという仕組みである。
輸入モデルで多く使用されているLPガス。写真は米国ウィネーベーゴのソリスポケット36A。ウィネベーゴ日本総代理店のニートRVでは、日本の仕様に合わせて手を入れてから販売している
ソリスポケットのLPガスボンベ。8キロが車体後部に収納できるようになっている。ニートRVでは、ガス配管から日本の法規に合うようすべて手を入れてから販売している
現在、LPガスをコンロやボイラーなどの燃料として使用するキャンピングカーは、欧米の輸入モデルが占めるが、これまで生産されてきたキャンピングカーに目を向ければ(中古キャンピングカーなども)、かなりの台数が燃料にLPガスを使用している。これらのユーザーも講習を受けることによって、LPガス販売という恩恵にあずかることができるわけだ。
LPガスを質量販売してもらうための講習とは? 面倒では?
というわけで、実際に体験してきたことをここに紹介しよう。
記者が訪れたのは、公益社団法人の千葉県LPガス協会。30分ルールの免除を受けるためには、講習を受講する必要があるのだ。現在、受講が可能なのは、公益社団法人の千葉県LPガス協会と、大阪府のELG株式会社の2者となる。どちらも月1~2回程度開催しているその講習は、実際に会場へ足を運び講習を受けるだけでなく、オンラインでの受講も可能とあって、なかなかにして盛況(ちなみに受講料は約6000円、テキスト込み)。確かに講習を受けるだけで、プロパンガスをある程度自由に供給してもらえるなら、キャンピングカー設備の燃料にLPガスを使用しているユーザーにとって朗報だろう。
千葉県LPガス協会での講習風景。テキストをもとに、千葉県LPガス協会の大入康永参与が講師を務める
講習内容は、法令に基づき経済産業省産業保安グループガス安全室の確認を得たもので、LPガスを一般消費者が基礎知識を理解することが主目的。LPガスに関する物理&化学の基礎知識にはじまり、緊急時の対応まで約4時間ほどしっかりと学ぶ。当然だが、LPガスは可燃物。安易には取り扱えないのである。
修了証を携行し、LPガスの質量販売を受ける
こうして講習修了証が発行される。この後、キャンピングカーユーザーは、LPガス販売店に一度キャンピングカーを持ち込んで、供給開始時のガス漏れ検査を受けた後、質量販売をしてもらえるようになる。有効期限は5年間だ。
法改正から約半年、キャンピングカーにLPガスを使用しているユーザーは、この法改正を利用しない手はないだろう。LPガスを使用する人が増えれば、これからのキャンピングカーライフはさらに楽しく充実したものになるはずだから。
取材協力:公益社団法人 千葉LPガス協会/ニートRV